ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『アンナ・カレーニナ』

2013-03-09 14:52:08 | 新作映画
(原題:Anna Karenina)

----久しぶりに、二日続いての映画のお話。
最近ではスルーしてしまうことも多いのに、
まさか『アンナ・カレーニナ』とは…。
「そうだね。
ぼく自身も驚き。
まさか、これがこんな映画だったとは…?
観るまでは、この作品については
不倫の愛に身を焼きつくしたヒロインを描いた文豪トルストイの小説。
その映画化というイメージしかなかったからね」

----それはそれで間違いニャいんでしょ?
「うん。
ただ、この原作に対してのアプローチが実に野心的。
一昔前の言葉で言えばアヴァンギャルド、前衛的」

----へぇ~っ。想像つかないニャあ。
「初めのうちは
ほんと戸惑ったね。
物語が観客のいない舞台の上で演じられ、
そこから登場人物は
そのまま次のシーンへと移っていく。
しかもその中には、同じ続きで作られたセットもあれば、
世界遺産の建造物での撮影、あるいは大自然を背景としたシーンもある。
つまり、舞台の中と外を
<物語>が行き来しているんだ」

----ふむ。それはあまり聞いたことニャい。
「実はいま、
初めてプレスを開いてみたんだけど、
それで初めてこのアプローチの理由が分かってきた。
監督のジョー・ライト
“例によって例のごとくの時代モノの映画”を作ることは
避けたいと思い続けていた。
そんなとき、彼は英国人歴史家オーランド・ファイジズ
19世紀のサンクトペテルベルク貴族は、
人生を舞台の上で演じているかのようだった
』という記述に目を止める。
ロシア人は昔から、
彼らが東洋と西洋のどちらに属するのかという
アイデンティティ・クライシスに苦しんでいたんだね。
そして『アンナ・カレーニナ』の時代の人々は、
自分たちを“西ヨーロッパの一員”と決め、
あらゆる面でフランスをまねる“演技”をしていた。
そこでライト監督は、
彼らの本質を描くために
物語を舞台劇型にしよう』という決断を下したのだそうな」

----長い引用、ご苦労様(笑)。
「まあ、そう皮肉らないでよ。
もう少し。
そして彼は
“内側から腐った当時のロシア社会の比喩となるような、
美しいが崩れ落ちそうな劇場”のセットを作ったわけだ。
主演のキーラ・ナイトレイ
このヴィジョンを監督から聞かされ、
とても興奮して役を引き受けたという。
ただ、惜しむらくは、
この映画がそんなチャレンジングな作品ということが
宣伝ではまったく伝わっていないように見えること。
おそらくターゲットを一般的な女性に絞っているんだろうけど、
これはシネフィル(あっ、言っちゃった)こそ観るべき映画」

----そうか…。
ファッションとか美術ばかり話題になっているものね。
「そうだね。
こういうとき、
しっかりその背景を書いてくれているプレスは役に立つ。
アンナが恋するヴロンスキーには
『キック・アス』アーロン・テイラー=ジョンソン
ぼくはこの役をジュード・ロウがやるとばかり思っていたのでビックリ」

----ジュード・ロウは夫役ということ?
「そう。
頭髪が凄く後退していて、
年齢を感じさせるんだけど、
どうやらこれは役作りのための剃髪だったらしい。
これもプレスを読むまで知らなかったなあ」

----昨日、ツイッターで呟いていたでしょ。
ファンに怒られちゃうよ。
                 


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「主演のマッツ・ミケルセンがいいらしいの慣れるまでは戸惑いそうなのニャ」もう寝る


※くどいようだけど、おそらく思っているのとかなり違う度
コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

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