ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『TIME タイム』

2011-12-24 18:28:44 | 新作映画
(英題:In Time)


----ん?これって時間旅行の映画?
「いやいや、そうじゃなくて、
“時間”そのものを扱った映画なんだ。
なんと、その“セカイ”では
通貨が“貨幣”ではなく“時間”…」

----どういうこと?
「つまり、モノの売買が“時間”によって行なわれるんだ。
この映画が描く“セカイ”には二つのゾーンがある。
富裕ゾーンとスラム・ゾーン。
彼らの腕には一様に<ボディ・クロック>と呼ばれているデジタル時計が刻まれている。
25歳なった瞬間、そのボディ・クロックが作動を始め、
“余命”がカウントダウンされる。
この“余命”がゼロにならないように
人々は寝る時間をも惜しんで働きはじめる…
というのは、もちろんスラム側に住む人間たちの話。
富裕層たちは、永遠に近い時間が約束されているからカジノやパーティ三昧。
そんな中、富裕ゾーンに住むハミルトンと名乗る男がスラム・ゾーンに現れて
これみよがしに時間を見せつける」

----それって危なくニャい?
狙われてしまうのでは…。
「そのとおり。
主人公のウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は彼にその危険性を指摘するわけだけど、
その男の目的は、無為に暮らすこの日々に別れを告げること。
ハミルトンは、ウィルが寝ている間に自分の持つ“116年”を分け与え、
橋から身を投げ出してしまう。
彼は、その時間を、
自分の母親にも与えようとするが、わずかな差で彼女は死んでしまう。
ハミルトンから、
この世の仕組みについて聞かされていたウィルは
ある目的を持って富裕ゾーンへ潜入する。
だが、そこにすべての人間の時間を厳しく監視する
<時間監視局>(タイムキーパー)のレオンが立ちはだかる」

----これはオモシロそうだ。
監督は誰ニャの?
『ガタカ』で根強い人気を誇るアンドリュー・ニコル
脚本を手がけた『トゥルーマン・ショー』もそうだけど、
発想のユニークさは当世随一だね。
彼の描く世界は、こことは違う別の<セカイ>で展開。
そのため、ビジュアル的にも斬新で
それだけで目を奪われる。
さらに、現代への風刺がその<セカイ>から照射される」

----今回は、どんな点を?
「ぼくたちがいま生きているこの世の仕組みそのものだね。
分かりやすく言えば、ここにあるまとまった“お金”があるとする。
それをみんなが少しでも多く欲しがるのは当たり前。
でも、数は限られているわけだから、
多い人少ない人が生じる。
一部の人が多く持とうとすればするほど、
残りの人たちの分け前は少なくなる。
いわゆる資本主義世界の仕組みをさらに進めたのが、この<セカイ>。
そこでは一部の人がより多い時間を持つべく、
残りの人の人生を少なくしようとするんだ。
それには彼らに早く死んでもらうことが必要。
というのが、この<セカイ>の仕組み」
----ひぇ~っ。
残酷だニャあ。
「で、この映画がさらにオモシロいのは、
ウィルが富裕ゾーンで出会った大富豪の娘シルビアを
人質にさらい、連れ回しているうちに、
ストックホルム症候群じゃないけど、
シルビアの中に、反体制意識が芽生えること。
ふたりは、まるで
ボニー&クライドか『ボウイ&キーチ』のように、
時間強盗を始める」
----時間強盗?
「うん。時間は
銀行に預けられているんだ。
しかも利息が付く。
だからスラム・ゾーンでは質屋まである。
俳優も見どころいっぱいで、
なかでも、これまでのイメージを一新したアマンダ・セイフライドは出色。
レオンに扮したキリアン・マーフィ
ハードボイルド的な要素、
『ブレードランナー』のハリソン・フォードを思わせる
スタイリングだったよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ということは、お金が一番大事じゃない世界が来ても
人間の世界は変わらないということなのかニャ」小首ニャ

※まあ、そのセカイでは時間がお金というわけだけ度…

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