ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『探偵はBARにいる』

2011-06-30 12:02:46 | 新作映画
-----今日は、もう出かけるから、フォーンに喋るようにだって。
だったら、帰ってきてゆっくり話せばいいのにね。
さて、この『探偵はBARにいる』。
実はスゴくお気に入りの作品ニャんだって。
どこが違うのかって聞いたら、
「やはり撮影所育ちの監督だからだな」だって。
この橋本一という人、
もちろん、『相棒』シリーズなどのテレビも体験しているけど、
いわゆる東映の社員監督。
いまは、ほとんどの監督がフリーだから、
これは珍しいんだって。
で、現場でたたき上げられているから、
映画のオモシロさが何かを知り尽くしている。
まずキャスティングの妙、その生かし方。
主人公の<探偵>が
大泉洋というから、
笑えるずっこけ映画かと思いきや、
これがなかなかのハードボイルド。
でも、いかにもという人たちじゃないところがいいんだって。
それは、相棒の運転手・高田を演じる松田龍平にも言えていて、
『まほろ駅前多田便利軒』の時を思い起こさせる似た飄々とした感じ。
特に取り柄がなさそうという感じがいいんだって。
一方、脇役の方は、逆に誇張がすぎるほどの作り込み。
最初に殺される、いわば映画のキーマン、
霧島グループの社長に扮する西田敏行は真っ白なスーツ。
探偵を拉致するヤクザの高島政伸
まるでブラック・ジャックみたいな髪形で、
えいは、最後まで「この役者だれ?」と思っていたらしい。
他にも、久々にその個性を遺憾なく発揮の有薗芳記
またまた不気味な男を喜々として演じる波岡一喜
彼らはみな劇画チックなパートを請け負っている。
そしてヒロインには小雪
えいは、彼女の演技に泣かされたのは初めてだとか…。
(これはネタバレになっちゃうけ)
トリュフォーの『黒衣の花嫁』的設定を、
『野良猫ロック』の梶芽衣子ルックでやっちゃうんだって。
これだけでも興味津々だよね。
で、キャスティングがハマれば、
もとより、原作がしっかりしているから、
後は、ディテールを作り込み、
そして、それぞれの魅せる演出をしっかりやればいい。
小樽のフェリーの乗船場には日活アクションのムードが漂い、
スノーモービルを始めとするアクション演出も
<画>のオモシロさで魅せる。
彼らの乗る車がポンコツで、
カ―アクションには向かないところも愛嬌。

と、とにかく楽しいお話でもないのに、
観ていて、
えいは、いつしか顔がほころびニコニコしていたんだって。
えっ、どんなお話かって?
あまり知らない方がいいと思うけどニャあ。
一言で言えば
携帯を持たずに、
彼との連絡はいつも通っているBARの電話でしか取れない探偵のところに
ひとりの女性から依頼が…。
先に、お金も振り込まれ、嫌な予感。
それでも、つい依頼を受けてしまった探偵は、
自分の命までも狙われる
とある事件に巻き込まれていく。

さあ、後は実際に観て確認してね。



           (byフォーン)

「ある時期のプログラム・ピクチャーのノリなのニャ」2009.4.7フォーン


※これぞ映画の醍醐味だ度

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