ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『TSUNAMI-ツナミ-』

2010-07-21 23:45:06 | 新作映画
「あちゃちゃ、まいったなあ。
ちょっと先走りすぎたかな」

----えっ。どうしたの。
帰ってきた時は、あんなに盛り上がっていたのに?
「そうなんだよ。
実は、この映画に興奮して知人にメールしたら、
『あまりに脚本が稚拙でダメでした。
何が良かったのか不思議なくらい、ダメダメでした、私は。
ゴメンなさい』の返信。
でも、気を取り直して
この返信メールを元に、
自分がオモシロかったところを喋っちゃおう。
まず、その問題となっている脚本。
これは、確かにありきたり。
メガ津波が押し寄せるという科学者の言葉に半信半疑の当局。
もう、これは『日本沈没』以来、ディザスター映画の定番。
で、その中に、いくつもの男女や家族(しかも崩壊してしまった)のエピソードを盛り込み、
最後は極限状況の中、和解という形で昇華されゆく。
これは『ディープインパクト』
物語の発端の大津波、船が飲み込まれる絵は
『パーフェクト・ストーム』
さあ津波がやってくるぞ…で、ビーチがパニックになるところは『JAWS・ジョーズ』
実際に、津波がやってきてからの水浸しの超高層ビル街は
『デイ・アフター・トゥモロー』
閉じ込められた超高層ビル内
助かろうとする者、蹴落とす者のドラマは『タワーリング・インフェルノ』
そして、極限下の愛といえば
もちろんこれ、『タイタニック』
と、ちょっと気づいただけでも
これまでに作られたハリウッド製ディザスター&パニック映画のアイデアが
一本の中に詰め込まれている」

----ニャるほど。
となると、それをオマージュと取るか、
単なる焼き直しと取るかで変わってくるわけだニャ。
「そういうことだね。
思うに、このディザスター・ムービーというのは、
これまでに、もう、すべてやり尽くされていて、
どう転んでも、そんなに斬新なアイデアって出てくるものじゃないと思う」

----だったら、やっぱりオモシロくないじゃん。
いくらオマージュにしても…。
「普通に考えればそうだし、
実際、ぼくも観る前はそう思っていたわけ。
なのに、ぼくが感心したのは、
一瞬で終わっちゃうため」

----ニャるほど。
となると、それをオマージュと取るか、
単なる焼き直しと取るかで変わってくるわけだニャ。
「、
本来なら映画にはなりにくいはずの津波の物語を、、
結果的に2時間近くも持たせた、その方法論」

----方法論?
「うん。
おそらくこんなことやったディザスター・ムービーって、
あんまりないんじゃないかと思うけど、
この映画の監督ユン・ジェギュンが選んだその手法とは
なんとコメディ
ベタすれすれのギャグで観客を沸かせながら、
津波の瞬間まで話を引っ張っていくんだ。
しかも、巨大な橋(クァンアン橋)のシーンでは
なんとスラップスティックまで見せてくれる。
名脇役キム・イングォンが、
まるで『アイス・エイジ』シリーズの予告編でおなじみ、
スクワットみたいな動きを見せるんだ。
橋にもたれかかったタンカーの一部が彼の前に
ドシンドシンと落ちてくる。
それを間一髪で避け、逃げまどい、
ようやくホッとして煙草に火をつけようとする。
ところが…。
いやあ、もう大爆笑。
このシーンがあっただけでも、
ぼくはこの映画を高く買いたいね」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そんなんでいいのかニャ」ご不満

※CGもよくできていた度


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