ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『天使の眼、野獣の街』

2009-01-17 22:55:59 | 新作映画
(英題:EYE IN THE SKY)

「いやあ、この映画は
すっかり書きにくくなったなあ」

----ん?どういう意味?
「実は観ている間は大興奮!
これはいま参加させていただいている、
れがあるFさんのところの
「月刊シネマグランプリ」
1月試写ベストに---とまで思っていたのに、
観終わった後、
とある女性に呼び止められ、
『この映画、もう最悪!』と言われちゃって。
彼女いわく
『監督が変わっても、やっていることはいつも同じ。
音楽はずっと鳴りっぱなしで、
映像もセンスがない』とケチョンケチョン」

----ケチョンケチョン?
ニャにその言葉(笑)。聞いたことない。
でも、あまりよくない意味に使うのは
想像ついちゃうニャあ。
そんな映画作った監督は誰ニャの?
ジョニー・トー映画の脚本家として
長年パートナーを組んできたヤウ・ナイホイ
オモシロい映画の例に倣ってこの作品、
ストーリーは至ってシンプル。
凶悪犯罪の容疑者たちの監視と追跡を専門に行なう
香港警察刑事情報課・監視班。
その部署に新たに配属された新人女性警官ホー(ケイト・ツィ)が
監視班のリーダー、ウォン(サイモン・ヤム)の厳しい指導の下、
現場で鍛えられていく。
折しもその頃、香港では宝石強盗が頻発。
監視班はカメラが捕えた映像から得たわずかな情報を頼りに、
張り込みを開始。
徹底的な監視と追跡で一味を追いつめていく。
やがてその中から、
強盗犯の影の男(レオン・カーファイ)の存在が浮かび上がる----と、こういう流れ」

----ニャルほど。
確かにストーリー的にはありふれているニャあ。
「ところが<運び>がとにかくスリリング。
街の至るところに仕掛けられた監視カメラが捕えた映像、
一般人を装って四方八方に散らばる捜査官が
すれ違いに移した携帯カメラの映像、
それらを捜査本部で受け取り分析。
トップ(女性!)が次の指示を出す。
そういう中で捜査班はついにゴミの山から証拠を見つけ出す。
主人公のホーが女性ということもあって
ここはちょっと『マルサの女』を思い出したね」

----ふうん。アクション・シーンとかはないの?
「この映画、特別にアクションを見せなくても
十分に興奮させてくれる。
そう思いながら観ていたんだけど、
中盤あたりでカーチェイスが登場。
しかもハイウェイで追いつめて銃撃戦。
これをなんとロングで見せちゃうところが嬉しい」

----うわあ。それはいいニャあ。
人物の設定はどうニャの?
「サイモン・ヤム演じるウォンが魅力的。
長い張り込みで疲れきった部下たちのために
小話を聞かせるんだけど、
これが伏線となって後半でとても生きてくる。
新人警官のホーもいい。
容疑者を追跡中、
捜査に特別関係ない警官が殺され,
その傷を手当てしようとして,
彼を見失ってしまう。
この失敗もまたクライマックスで生きてくるんだ」

----どういう風に?
「別の事件で姿を現した
誘拐犯の見張り中に
その容疑者が姿を現すんだ。
さあ、彼女はどうする-----という流れ。
あと、上手いのが傘の使い方。
容疑者を追う中で雨が降ってきて彼を見失ってしまう。
これはいつまでも記憶に残ること間違いなしの名シーン。
いま話しているうちに、
やはりこれを今月の暫定ベストに推したくなったな」

----でも、まだ月の半ばだよ。
「それはそうだね(汗)」


           (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「そ、それは観てみたいニャあ」身を乗り出す

※やっぱりオモシロかったと思う度

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