※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
----最近、チェ・ミンシクの名前よく聞くよね。
「そうだね。
でも「オールド・ボーイ」 を始めエキセントリックな役柄が多かった。
この『春が来れば』はキャッチコピーの
『傷だらけで、落ちこぼれて。
それでも人生は、悪くない』そのまま。
雪積もる厳しい冬の炭鉱町での話でありながら、
心の奥深くからじわ~っと暖めてくれる映画だ」
----監督のリュ・ジャンハという人知らないニャあ。
「ホ・ジノ監督の『春の日は過ぎゆく』の助監督を務め脚本にも参加。
これが監督デビュー作になるわけだけど、
『春の日が過ぎゆく』が
桜の散る中で恋人だった2人が別れる映画だったため、
逆に桜の花が舞う中で2人が再会し、
また関係をやり直す話をつくりたいと思った----と言うことらしい。
ストーリーをプレスを元に要約してみよう。
主人公はトランペッターのヒョヌ。
交響楽団に入って名声を得るという夢も実現しないまま、
気がつけば中年の年齢に。
愛する人を幸せにする自信もなく、
いつの間にか不機嫌で頑なな人間になっていた彼だが、
ソウルから遠く離れた炭鉱町の中学校で吹奏楽部の指導をするうちに、
人の心の温かさに触れ、ゆっくりと自分自身も成長していく」
----ニャるほど、いいお話だ。
ブラスバンドと言うと『ブラス!』を思い出すよね。
「そうだね。炭鉱が斜陽と言うのも似ている。
この映画が共感を呼ぶのは、
チェ・ミンシク演じるヒョヌが人格者どころかダメ男と言うところ。
同棲していた恋人ヨニには素直になれないし、
第一、スゴいマザコン男だ。
また<音楽家>と言う理想を掲げているものだから、
仕事面での妥協ができない。
そのためしっかり金を稼いでいる友人には苛立ちをぶつけてしまうし、
母親のために栄養剤を持ってきてくれた元恋人にもつれない。
ところがそんな彼が炭鉱町の人々と接するうちに、
彼らの人を想う心の深さ、
その悲しいほどに美しい姿に触れ、
それまで甘えの裏返しで突っ張っていた母親に電話で弱音を吐いてしまう。
『かあさん、俺、最初から全部やりなおしたい』……」
----まるで<子供>だね。金八先生とは真反対だ。
でも、そのヒョヌが出会う人たちって?
「おばあちゃんと二人暮らしの少年ジェイル、
ケニー・Gに憧れる少年ヨンソク。
そんな彼らに、
ヒョヌは理想論ではないところで現実的に対応していく」
----現実的ってどういうこと?
「たとえば彼は、
ジェイルのおばあちゃんの入院代を稼ごうと
派手な服を着てナイトクラブでペットを吹く。
あるいは、
ヨンソクが吹奏楽部を続けることをよく思わない父親を
説得しようとして反対に意見され、その考えに同調する……。
この映画の素晴らしいところは
それら一つひとつのエピソードが
後半、新たな膨らみを見せていくことにある。
なかでも少年たちが炭鉱労働者たちを讃える演奏をするシーンは、
映像的にも忘れがたい名場面。
暗い坑道からカメラが抜け出るとそこには楽団が…。
ここでは長い暗闇の向こうの<希望>が謳われ、
観る者の心にも爽やかな微風を送り込む。
また、ジェイルに渡した楽譜が
海辺でヒョヌの恋の再生に関わる<ある奇跡>をもたらす」
----ニャるほどね。でも新しい町で新しい恋とかはなかったの?
「うん。素敵な出会いはあるけれど、それも友情のようなもの。
恋にまでは発展しないところが節度がある。
ひと冬の出来事を経て<大人>に生まれ変わったヒョヌ。
そのときのチェ・ミンシクの表情が見モノだよ」
(byえいwithフォーン)
※しみじみする度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
----最近、チェ・ミンシクの名前よく聞くよね。
「そうだね。
でも「オールド・ボーイ」 を始めエキセントリックな役柄が多かった。
この『春が来れば』はキャッチコピーの
『傷だらけで、落ちこぼれて。
それでも人生は、悪くない』そのまま。
雪積もる厳しい冬の炭鉱町での話でありながら、
心の奥深くからじわ~っと暖めてくれる映画だ」
----監督のリュ・ジャンハという人知らないニャあ。
「ホ・ジノ監督の『春の日は過ぎゆく』の助監督を務め脚本にも参加。
これが監督デビュー作になるわけだけど、
『春の日が過ぎゆく』が
桜の散る中で恋人だった2人が別れる映画だったため、
逆に桜の花が舞う中で2人が再会し、
また関係をやり直す話をつくりたいと思った----と言うことらしい。
ストーリーをプレスを元に要約してみよう。
主人公はトランペッターのヒョヌ。
交響楽団に入って名声を得るという夢も実現しないまま、
気がつけば中年の年齢に。
愛する人を幸せにする自信もなく、
いつの間にか不機嫌で頑なな人間になっていた彼だが、
ソウルから遠く離れた炭鉱町の中学校で吹奏楽部の指導をするうちに、
人の心の温かさに触れ、ゆっくりと自分自身も成長していく」
----ニャるほど、いいお話だ。
ブラスバンドと言うと『ブラス!』を思い出すよね。
「そうだね。炭鉱が斜陽と言うのも似ている。
この映画が共感を呼ぶのは、
チェ・ミンシク演じるヒョヌが人格者どころかダメ男と言うところ。
同棲していた恋人ヨニには素直になれないし、
第一、スゴいマザコン男だ。
また<音楽家>と言う理想を掲げているものだから、
仕事面での妥協ができない。
そのためしっかり金を稼いでいる友人には苛立ちをぶつけてしまうし、
母親のために栄養剤を持ってきてくれた元恋人にもつれない。
ところがそんな彼が炭鉱町の人々と接するうちに、
彼らの人を想う心の深さ、
その悲しいほどに美しい姿に触れ、
それまで甘えの裏返しで突っ張っていた母親に電話で弱音を吐いてしまう。
『かあさん、俺、最初から全部やりなおしたい』……」
----まるで<子供>だね。金八先生とは真反対だ。
でも、そのヒョヌが出会う人たちって?
「おばあちゃんと二人暮らしの少年ジェイル、
ケニー・Gに憧れる少年ヨンソク。
そんな彼らに、
ヒョヌは理想論ではないところで現実的に対応していく」
----現実的ってどういうこと?
「たとえば彼は、
ジェイルのおばあちゃんの入院代を稼ごうと
派手な服を着てナイトクラブでペットを吹く。
あるいは、
ヨンソクが吹奏楽部を続けることをよく思わない父親を
説得しようとして反対に意見され、その考えに同調する……。
この映画の素晴らしいところは
それら一つひとつのエピソードが
後半、新たな膨らみを見せていくことにある。
なかでも少年たちが炭鉱労働者たちを讃える演奏をするシーンは、
映像的にも忘れがたい名場面。
暗い坑道からカメラが抜け出るとそこには楽団が…。
ここでは長い暗闇の向こうの<希望>が謳われ、
観る者の心にも爽やかな微風を送り込む。
また、ジェイルに渡した楽譜が
海辺でヒョヌの恋の再生に関わる<ある奇跡>をもたらす」
----ニャるほどね。でも新しい町で新しい恋とかはなかったの?
「うん。素敵な出会いはあるけれど、それも友情のようなもの。
恋にまでは発展しないところが節度がある。
ひと冬の出来事を経て<大人>に生まれ変わったヒョヌ。
そのときのチェ・ミンシクの表情が見モノだよ」
(byえいwithフォーン)
※しみじみする度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)