ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『乱歩地獄』

2005-07-05 19:36:34 | 新作映画
----この映画のキャスティングはスゴいね。
舞台挨拶付きだったんだって?
「うん。カメラ・クルーも入って会場は超満員。
浅野忠信、成宮寛貴、松田龍平が並ぶんだから圧巻だ。
あっ、もちろん監督も挨拶に立ったよ(笑)」

----江戸川乱歩って、ときどき映画化されてるよね。
「そうだね。ただ、こういうビッグネームの作家で、
しかも独自の怪奇幻想世界を描いた小説は
映像化が難しいということを改めて感じたね」

----今回はオムニバスなんだっけ?
「『火星の運河』(竹内スグル)『鏡地獄』(実相寺昭雄)
『芋虫』(佐藤寿保)『蟲』(カネコアツシ)の4本。
竹内、カネコの両監督は本作がデビュー作だ。
それぞれアイスランドロケしたり(『火星の運河』)、
原作にはいない人物を登場させたり(『芋虫』)、
舞台の「蔵」を「楽園」に置き換えたり(『蟲』)と、
自分なりの個性を出そうとしている」

----あれっ?『鏡地獄』は?
「実を言うと、これが最も興味があったんだ。
原作の読後感が強烈だったしね。
『球体の鏡の中に入ったら何が見えるか?』
子供の頃、けっこう悩んだよ。自分で作れないかとも思った。
で、クラスのできるヤツに聞いたら...」

----聞いたら?
「『光源をどこに置くかだろうね』だって。
そう言われるといよいよ興味が出てきた。
たとえば実際に人が鏡に入らなくても、
球体の中心にカメラを置いて
外でそれをモニターしたらどう見えるか?とかだね」

----話が映画からずれてきた(笑)。
「ま、それはともかくとして、
この小説では最後に球体の鏡が完成して
そこから、中に入り狂ってしまった主人公が出てくる。
ぼくは当時ココを読んで、相当に大きな球体の鏡をイメージした。
ところがこの映画の球体鏡は
しゃがんだ人間がやっと入れるくらいの大きさ。
思ってたのとだいぶ違う。
と、このことに象徴されるように、
乱歩が頭の中で作り出した世界は、
読んだ人によって受け取るイメージが千差万別。
それだけに映像化は難しい...と、これが言いたかったわけさ」

----ニャんだか、今日のお話、だまされてるみたい。
           (byえいwithフォーン)

※それぞれに料理する度
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