ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『鳶がクルリと』

2005-07-04 20:24:46 | 新作映画
----これって窪塚洋介の復帰が話題になった映画だよね。
「監督が『凶気の桜』でデビューした薗田賢次。
復帰は、まず彼の作品でってところみたい。
役どころも美容師でアクションはおろか
セリフもほとんどなかったよ。
でも本格復帰の手応えは掴めたんじゃないかな」

----原作も『凶気の桜』のヒキタクニオだっけ?
「そう。どうもぼくにはこの原作・監督コンビの映画は分からない。
いまの時代の空気が出てるのかな...とは思うけど。
タイトルだけ聞けば、これはコメディかなって。
でも、そこに徹してるわけじゃないし」

----歯切れ悪いな。どういうお話なの?
「主人公は大企業に勤めるOL・貴奈子(観月ありさ)。
ところが夢を賭けたプロジェクトに失敗して
突然<鳶職人>との新プロジェクトを任される。
しかしどこに行っても断られ、
彼女は因縁浅からぬ<日本晴れ>という会社へ。
工期が迫る中、彼女はガンコな鳶職人を口説き落とせるか?
というストーリー」

---う~ん。シンプルな話だニャ。
ライバル会社の妨害とかあるんじゃニャイの?
「いや、そういうことも最初の段階で終わり、
ほとんどは、この貴奈子の交渉を通して、
彼ら鳶職人の生きざまを描くことに費やされる。
そこで彼女が目にするのは神社で柏手を打ったり、
彫り物に褌姿姿で水を浴びたりと、
日本古来からの伝統を今に残す職人たちの姿。
この日本的なアイテムを至るところに散りばめつつも、
ヒップホップやレゲエといった“現代”の音楽を取り入れ、
さらには小刻みなカッティングでマンガチックな部分も入れる。
これが前作とも通じる、薗田監督の手法みたい」

---みたい...って、あまり巧く機能してないわけ?
「うん。映像や効果音の<遊び>が入れば入るほど冷めちゃうんだよね。
て言うか、それ以前に、鳶職人が働く現場の恐怖が醸し出せていない。
高所恐怖症で、ちょっと高いところの映像が出てきても
クラクラするはずのぼくなのに、まったく平気。
これはどうしてだろう?
もしかして風景は合成なのかな?
でもそうではなく、実際に高所でロケしているのだとしたら
<高さ>を出せていないという演出的問題になっちゃう。
この映画のテーマ自体よく掴みにくいけど、
もし、このような危険な場所で命を懸けて働く
鳶職人に敬意を表する映画だったら
<高さ>はきちんと表現してほしかったと思う」

     (byえいwithフォーン)

※日本晴れ度
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