ふたつ目のアンモナイト発掘現場に
選んだのは阪Q百貨店でした。
しかしなんですな、阪Q百貨店といいますと、
中にいてはるお客さんの層も
だいぶ違てるような気がせんでもおまへん。
みなハイソそうな人が多くて、
あべののK鉄とはなんとはなしに景色が違いまんな。
そんな阪Qの7階には特別室がおます。
あれ?言葉が変でんな。
もどしまひょ。
フロアの案内図をじっくり見て、
化石の見られるのは、高級な大理石だったりしますので、
高級そうな「特別室」に目をつけたのですが・・・
7回まで上って行きますと
フロアの片隅に
「貧乏人は近寄るなオーラ」を放っている
特別室の入口が見えました。
やはり「鉄爺」風のいでたちのdoironには近寄りがたく、
遠目に入り口付近を眺めただけで
すごすごと引き下がってきました。
阪Q百貨店の内装は
ざっと見たところ、おおむねが花崗岩が主流のようでした。
2012年に開業した新店舗は、
化石発掘の観点からは期待外れの場所でしたね。
そして次に向かったのが「ナビオ阪Q」です。
この日はあいにくの雨でした。
実は、最寄りの和泉F中駅まで車で行ったものですから、
傘を持ってくるのを忘れていました。
なので、地下道つながりで行けないか
大探検をしてみたのです。
しかし、歩いても歩いてもたどり着きません。
いやそれどころが同じところを
何度も通っているような気がします。
あれ?このパン屋さんはさっきも見たぞ、みたいなね。
これがいわゆる、「ホワイトアウト」ですか。
違います。
単に「ホワイティ梅田」あたりで
迷子になっているだけです。
結局、アフリカの蟻塚に見られるような
複雑怪奇な地下道を通って
目的地に行くことはきっぱりとあきらめ、
再度地上に舞い降りてみました。
そしたら雨が小降りになっているではありませんか。
これならいけるぞと、フードを目深にかぶり
「負けるもんか」と涙をこらえてつぶやきながら、
ナビオ阪Qに向かったのでありました。
最初に行ったフロアーは何と木の床張りでした。
これでは発掘は出来ません。
ファッション雑誌から抜け出てきたような
イカレタ、じゃなかったイカシタおねいさんたちの
視線を浴びているぞ、
とおもったらマネキンでした。
壁の状況を見るとボードのようなものが貼られています。
これもどうも目的の発掘現場ではなさそうです。
マネキンに「あばよ」と言いながら、
進んでいきますと、
階段部屋に目が止まりました。
赤っぽい石が貼られてあります。
見てみますと・・・いました
らせん状の渦巻体型が懐かしい~
まぎれもなくアンモナイトです。
3億5千万年ぶりです。
雨にも負けず、ホワイトアウトにも負けずに
やってきた甲斐があるってものです。
人のあまり通らない階段部屋なので、
人目も気にせず撮影ができます。
夢中で撮影しておりますと・・・
おお~、床にもアンモナイトがいっぱいいるではないですか。
足下に転がるアンモナイト、
壁から飛び出してきそうなアンモナイト。
まさしくここはアンモナイトの海でした。
巻貝のような形の口からヒゲをいっぱい出したのが
あちこち水中を漂っています。
海底にはウミユリや
古代サンゴが・・・う~ん、まるで
三葉虫になったような気分で、
しばしたわむれておりました。
しかしそれにしてもここでこんな光景を
目の当たりにしたからには、
もう大理石と思われる資材を使った建築物に行ったら、
ついつい壁をしげしげ眺め、
化石を見つけたら思わず
ひとり「壁ドン」
をしてしまいそうです。
とまあ以上が、
梅田へ画材を買いに行ったついでにおこなった
アンモナイトの発掘調査の報告です。
この日はその他にも大阪駅に残る、
かつての地盤沈下の痕跡も訪ねてみたのですが、
その話はまたいずれ。
今夜はきっと、
アンモナイトとたわむれる夢を見るでしょう。