先日、久しぶりに電車で梅田に出た。
そこで飲む機会があったからだ。
そうして街に出る日には
電車の中ではいつも本を
むさぼり読んでいる。
今、読んでいるのは
道尾秀介の「片眼の猿」
3分の2以上をすでに読んでいて
今日で読みきるぞと
電車で揺られながら夢中になって読んだ。
内容が後半になるほど
前半にちりばめられた
出来事や会話が
意味を持ち、謎の部分が
明かされていくというストーリーの
運び方が、いっそう夢中にさせた。
朝の通勤時に加えて
読み続けたから
梅田につくころには
ちょうど読み終えるようなペースである。
案の定、地下鉄が
淀屋橋を出たころに
最後の行となったのは
まったくもって計算どおりだ。
これですっきりと飲めるぜ
と、気をよくしながら
電車が梅田に差し掛かったときだ
なかなか面白い本だったなあ
と思いつつ、手にした本を眺めていると
あれ?以前この作家の
別の本を読んだことがあるけど
なんて名前の作品だったかな?と
いう疑問にとらわれた。
う~ん、気持ち悪い。
のど元まで出ているのに
出てこない。
こういうのを「ど忘れ」ていうんやなあ
と思っていたら
電車が駅に到着した。
「梅田~、梅田~」
「ど忘れものにご注意ください」
と確かに聞こえた気がしたけどな。
タイムリーな空耳でした。
本の名前が気になったのと
まだ時間があったので
紀伊国屋に行くことにした。
平日の夕方というのに
街は人であふれている。
もうまるで人の津波だ。
人の土砂崩れだ~
すみません
時期が時期だけに
不謹慎でした。
本屋に入ったら
さっきまで考えていたこととは別に
資格本のコーナーに
足が向いた。
少し前に、先輩がブログに書いてた
「語彙・読解力検定」の本を
探すためだ。
それにしても、資格本のコーナーは
人であふれている。
ま、たいていは若い人なんだが
英会話コーナーには
中高年も結構いた。
急に会社で英語力を
問われるようになり
あわてて勉強しようとしているのかな。
なんか皆さん、けっこう悲壮感を漂わせている
と思ったのは考えすぎだろうか。
結局お目当ての本は見つからないまま
タイムリミットとなったので
「ま、そのうち思い出すさ」と
思いながら、待ち合わせ場所に行き
合流してから店へと向かった。
途中、今年新しくなった
大阪駅を通ったよ。
そのときの写真がこれ。
すっかり、おのぼりさん気分で撮影した
doironであった。
それにしても大きな、開放的な屋根が
印象的ですね~。
「これだけ大きな屋根だったら
雨でも思う存分BBQができるなあ」と
思ったのは、やっぱり間違いなく
おのぼりさんである証ですな。
残念ながら、あの屋根の下は
電車のホームでしたわい。
その後飲んだのはパブ風のお店。
ていうか、パブでした。
外国ビールや
珍しいカクテル
変わったおつまみで
2時間過ごし、
店を出た後、ラーメンまで食べて
いっぱいになったおなかを抱えて
帰路に着いた。
甲子園帰りの、ユニホームを着た
阪神応援団が闊歩し、
ほろ酔いの親父や姉さんが
たむろする都会を歩き、
何とか家にたどり着いたころには
かなりdoironの足元も怪しかったです。
さすがに都会の刺激に毒されたんでしょうね~
そして何とかブログをアップし
さあ寝ようと思ったときに
まるで天使が舞い降りてきたように
記憶がよみがえったんです。
かつて、読んだことのあった本の名前は
「向日葵の咲かない夏」
でした。
やはり、都会の雑踏では
刺激が強すぎて
記憶も頭の奥に潜んでいたんでしょうねえ。
いつもと同じようにブログに向かい
いつもと同じように寝ようとしたときに
ひょこっと舞い降りた記憶。
もちろん、その日
すっきり熟睡できたのは
いうまでもありません。