雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

隻眼の少女

2012-09-05 20:16:08 | 

麻耶雄嵩著"隻眼の少女"を読みました。
二部から成ります。
一部は1985年冬で、二部は2002年冬です。
種田静馬は父が母を殺しそれを責めていたら父が階段から
転げ落ち死んでしまいました。
自殺しようと信州の栖苅村の琴乃湯温泉へやってきました。
スガル伝説のある村で今でもスガル様という女性を奉って
生活している村です。
温泉で水干姿の隻眼の17歳の美しい女性と出会いました。
彼女はみかげといい探偵デビューしようとしてました。
父親の山崎がみかげをサポートしています。
スガルの後継者は中学生の三つ子の長女春菜です。
春菜が殺されます。
続いて後継者となった次女夏菜が殺されます。
その場に偶然行き会った山崎も殺されます。
そして三女の秋菜まで殺されます。
みかげは静馬を助手見習いにしてスガルの一族の住む
琴折家へ事件解決のため雇われて調査にいきます。
途中で三つ子の叔父が犯人だと指摘されます。
彼は自白します。
しかし事件は続きます。
彼は犯人だと思った人をかばって自白したのです。
そして別の人物が犯人と指摘され犯人は肯定して自殺
してしまいます。
みかげは若いけれどぴしぴしと事件を探っていきます。
静馬は年上にも関わらずみかげに厳しい言葉で命令
されて動いています。
解決後みかげは消えてしまいます。

二部はその17年後です。
静馬はみかげが消えた後九州で自殺を図りました。
助かりましたが記憶を失くしました。
その地で働いていましたがみかげが死んだと知り
記憶がよみがえってきました。
栖苅村の琴乃湯温泉へ過去を偲んでやってきました。
そこで静馬はみかげに出会います。
そっくりな少女ですが昔のみかげではありません。
みかげの娘だと名乗ります。
やはり探偵をめざしています。
現在のスガルの後継者も三つ子の姉妹の長女です。
昔と同じような惨劇が始まります。
長女の雪菜が殺されます。
続いて月菜が殺されます。
過去と同じ方法で殺されています。
犯人だと思われていた人は犯人ではなかったのです。

次に狙われたのは静馬です。
みかげが犯人を捕らえます。
あっと驚く犯人です。
これはないでしょうと言いたくなります。
もしかして静馬が犯人というどんでん返しなのかな
というところまでは考えました。
ここまでは考えませんでした。
ミステリーでは一応禁じ手だと言われている手法です。
そこまで有りなのかと思います。
途中で犯人だと言われた人々の方法や理由と、真犯人の
方法と理由の二重にあるわけですがちゃんとつじつまが
合うのですからすごいです。
おもしろかったです。

コメントを投稿