雑記帳

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刺青殺人事件

2014-12-13 21:00:00 | 

高木彬光著"刺青殺人事件"を読みました。
終戦直後の時代設定です。
書かれたのも1951年です。
現在まで生き残った小説なんですね。
雰囲気が現在の小説とは違ってその時代の
雰囲気が漂っています。
時代によって小説家全体が似たような雰囲気の
ものを書くようになってしまうものなんですね。
読者や出版社が好むものが小説家全体を一定方向へ
向かわせてしまうってことでしょうか。

刺青に対する薀蓄がすごいです。
刺青のことが多少わかったような気になります。
絹江の背中には大蛇丸の刺青があります。
最上竹蔵という土建屋をしている男の愛人です。
絹江の父は刺青師で兄、双子の妹も刺青を
しています。
兄も妹も戦争で死んだのだろうと思っています。
竹蔵の弟が久です。
法医学をやっている松下研三の知り合いです。
研三の兄が警察の捜査一課長の英一郎です。
研三は絹江と知り合い、家を訪ねます。
鍵が掛った風呂で絹江のバラバラ死体を発見します。
その時、早川博士がいっしょでした。
早川博士は刺青の収集に打ち込んでいました。
絹江の刺青もいずれ収集品に加えたいと思っています。
発見された死体から胴体は消えていました。
やがて竹蔵も死体で発見されました。
研三は絹江の兄の常太郎に出会います。
常太郎は研三が絹江から預けられた昔の兄弟の刺青の
写真を見てすぐさま犯人の見当が付きました。
しばらく秘密にしておいて欲しいという願いを
受け誰にも知らせなかったところ常太郎も
殺されてしまいました。

研三は神津恭介に出会います。
やはり法医学をやっています。
後半に登場して恭介は瞬く間に事件を解決してしまいます。
探偵役の神津恭介とワトソンの役割をになう研三の
物語の始まりです。

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