田中啓文著"鍋奉行犯科帳"を読みました。
大阪西町奉行所に型破りの奉行が赴任してきました。
大邉久右衛門です。
60歳前後で超え太り堂々とした巨躯です。
鴨居をくぐらなければならないほど長身です。
大きな顔、異形といっていい面相です。
大食漢で美食家です。
あだ名は大鍋食う衛門です。
やる気なしに見える奉行ですがここぞという時には
しっかりと指示してくれます。
"フグは食ひたし"
村越勇太郎は21歳、大阪西町奉行所の定町廻り同心です。
母は昔芸子で奉行と昔知り合いです。
蛸足の千三は勇太郎の下で働いています。
千三は夜道で怪しい男たちを見かけ追いかけていきましたが
殴られ気絶しました。
落ちていた手ぬぐいの持ち主の千鳥屋の主が行方が知れません。
鉄砲奉行の喜多村がフグを自分で料理して同席者に勧めたけど
断られ自分で食べて死んでしまったため後始末のため起った
騒動でした。
しかし喜多村は仕事を利用して悪事を働いていました。
奉行はこれを見抜きます。
"ウナギとりめせ"
千三は芝居小屋の木戸番をしています。
芝居が当たって出前のウナギを食べる暇もありません。
暖かいまま食べたいと、方法はないものかと思っています。
凶悪事件が続発しています。
刺された傷痕からくちなわの瓢吉のしわざと見られています。
勇太郎の菩提寺の和尚は体が弱って食が進みません。
奉行が指図して山芋を使ってウナギもどきの料理を和尚に
食べてもらいます。
千三が望んださめないウナギはごはんとごはんの間に
ウナギを挟むまむしを教えます。
"カツオと武士"
勇太郎が通っていた道場に大熊という道場破りがやってきます。
勇太郎と勝負して引き分けました。
大熊は道場にいついてしまいました。
武士たるものはと干した食料、煮ないものなど粗食をとっています。
大熊は仇打ちの旅の途中です。
仇は見つかりました。
奉行の前で試合をするこになります。
大熊は次第に体力が無くなっていきます。
奉行が大熊の口の中に何かを押し込みました。
おかげで大熊は勝つことができました。
口にしたものは鰹節でした。
食事をしっかり取ることも大切と諭します。
"絵に描いた餅"
お菓子屋玄徳堂のお菓子はおいしいと勇太郎の家族の
好物です。
京都のお菓子屋は仲間を作って大阪のお菓子屋まで
配下において締め付けようとしています。
玄徳堂の主の太吉はそれを嫌って大阪の菓子を作ろうと
しています。
茶道の師匠が京の菓子を使うか大阪の菓子を使うか
勝負することになっています。
食べることに貪欲で食べ物についての造詣が深い奉行です。
おもしろい奉行です。
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