雑記帳

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愛しの座敷わらし

2012-09-09 19:45:31 | 

荻原浩著"愛しの座敷わらし"を読みました。
つい最近映画になっていますが見てません。
晃一は食品会社に勤めています。
転勤になって東京を離れることになりました。
田舎の築百三十年の家を見つけてほれ込んでここに
家族で住みたいと契約しました。
下見に来た家族は賛成しません。
中学生の娘の梓美は無視やいじわるなメールのいじめに
あっています。
息子の智也は改善されてきてますが喘息を持っています。
同居するようになった母の澄子は慣れない生活で老人欝で
無気力な状態です。
なんとか説得してこの家で暮らし始めました。
智也は家の中をぱたぱたと歩く5歳ぐらいの着物を着た
男の子の姿を見るようになります。
智也が庭の祠で男の子に会って話しかけます。
男の子は話すことはしませんが反応はします。
澄子にも見えます。幼くしてなくなった弟の面影を
重ねて見ています。
梓美は鏡の中に男の子の姿を見ました。
母親の史子も鏡の中に姿を見て自分がおかしくなったと
思い込みます。

近所の高齢の米子さんが家にやってきて庭にねぎや
ラッキョウを植えてくれます。
そしておしゃべりしていくようになりました。
智也は近所でサッカーをしていたグループに声を
かけて仲間に入れてもらいした。
グループのリーダー格は桂、カッチャンです。
米子さんの孫で女の子です。
梓美はいじめを恐れてびくびくしていましたがクラス対抗
の水泳大会の練習や大会を通して友達ができます。
澄子も元気を取り戻していきます。
晃一は仕事人間でしたが残業や接待を減らし家庭で
過ごすことが多くなりました。

見える男の子は座敷わらしです。
その地方には座敷わらしの話は多く残っていてます。
あらわれては智也に遊んでもらっています。

家族は4ヶ月後にまた転勤でこの地を後にすることに
なります。
家族の絆は強くなりそれぞれ元気になりました。

ばらばらな家族がまとまっていく様子が描かれます。
会話がなかったお父さんと娘が話をするようになる
場面ではほっとしてお父さんよかったねと言いたく
なります。
座敷わらしが何かしたというわけではありませんが、
家族一人一人が変わっていくきっかけにはなっています。
座敷わらしはどこにでもいるわけではありません。
普通の家で座敷わらしの役目をしてくれるものは
何なんでしょうね。

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