雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ヘルたん

2015-01-22 21:00:00 | 
著者 : 愛川晶
中央公論新社
発売日 : 2012-02-24

愛川晶著"ヘルたん"を読みました。
神原淳は親戚の田代の紹介で成瀬秀二郎を
訪ねました。
淳の両親は夜逃げして行方不明です。
成瀬の家の離れに居候させてもらえることに
なりました。
成瀬の元にヘルパーがやってきます。
ヘルパーが高校時代の先輩の中本葉月なのに
気づきました。

淳はヘルパーの仕事に就こうと講習会に通い
始めます。
そして葉月の事務所で働くようになります。

成瀬はアルツハイマーに罹っています。
人には話してませんし気づかれていません。
忘れてしまうため何でもメモして前のものを
読み返してうまくつじつまを合わせています。
かつては優秀な探偵でした。

ヘルたんとはヘルパー探偵のことだそうです。
事件というほどではありませんが不思議なことが
起こった時に成瀬の助けで真実がわかります。

ミステリー部分よりはヘルパーの講習や実際の
介護の様子の部分が現実感があって読み応えが
あります。
作者は本当にヘルパーの仕事の現場に行き合わせ
たのだろうかと思わせられます。
人の話を聞いただけでこれほど書けるとしたら
作家という仕事はすごい感知能力ですね。