愛川晶著"ヘルたん"を読みました。
神原淳は親戚の田代の紹介で成瀬秀二郎を
訪ねました。
淳の両親は夜逃げして行方不明です。
成瀬の家の離れに居候させてもらえることに
なりました。
成瀬の元にヘルパーがやってきます。
ヘルパーが高校時代の先輩の中本葉月なのに
気づきました。
淳はヘルパーの仕事に就こうと講習会に通い
始めます。
そして葉月の事務所で働くようになります。
成瀬はアルツハイマーに罹っています。
人には話してませんし気づかれていません。
忘れてしまうため何でもメモして前のものを
読み返してうまくつじつまを合わせています。
かつては優秀な探偵でした。
ヘルたんとはヘルパー探偵のことだそうです。
事件というほどではありませんが不思議なことが
起こった時に成瀬の助けで真実がわかります。
ミステリー部分よりはヘルパーの講習や実際の
介護の様子の部分が現実感があって読み応えが
あります。
作者は本当にヘルパーの仕事の現場に行き合わせ
たのだろうかと思わせられます。
人の話を聞いただけでこれほど書けるとしたら
作家という仕事はすごい感知能力ですね。