書く仕事

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「エンドゲーム 常野物語」恩田陸

2008年12月31日 16時09分44秒 | 読書


「常野物語」の最新本ということなのですが.

「常野物語」シリーズは,不思議な力を持って生まれた常野一族の波乱に満ちた運命を描いた作品集なのですが,第1作目の「光の帝国」がやはり素晴らしかった.
素晴らしかっただけに,次を期待してしまうのですね.
gooのブログでずいぶん前に,この第1作目の素晴らしさを褒めたのですが,ひとことで言うと,人類の進化に関する哲学的な考察をエンタテイメントの絵筆で描くことに成功しているという点です.

2作目の「蒲公英草子」は,エンタメの方が今ひとつでしたが,「哲学」の方は素晴らしかったので,これはこれで充分面白かった.

しかし,「エンドゲーム」では,肝心要の「哲学」が抜け落ちちゃって,エンタテイメントだけになっちゃってるわけで.
仏作って魂入れずという言葉がありますが,私的にはまさにそんな印象を受けています.

ただし,天下の恩田陸氏ですから,つまらない話ではありません.
小説としてはとても面白いと思うし,このブログを読んで,「そんなことはない.とても面白いじゃないか!」と反論される方がおられるのは承知の上です.
ただ,私の場合,恩田さんに対する期待があまりに大きかったから,ということなのでご勘弁いただきたいと思います.


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