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「声の網」星新一

2022年08月16日 11時06分43秒 | 読書
「声の網」星新一


私見ですが,日本のSF界の巨匠を3人上げるなら,小松左京,筒井康隆,星新一ですかね.
小松左京は,「日本沈没」「さよならジュピター」「神への長い道」など,SFというより,人類の進化と地球の運命を題材とした未来社会派小説の巨匠といえる気がします.
筒井康隆は「家族八景」3部作等,超能力を持つ新人類の苦しみを描いた作品が素晴らしいのですが,パロディや実験小説など新しい分野を次々に切り開いてきた新ジャンル開拓者でもあります.
蛇足ながら,筒井は,「日本以外全部沈没」というとんでもない短編も書いています.こんな小説が書けるのも,小松左京氏との良好な友人関係があればこそ?
星新一は知る人ぞ知るショートショーの巨匠.この分野を切り開いたパイオニアであり,ショートショートを専門とする唯一の作家と言っても良いでしょう.

そんな星新一が,長編小説を書くとどんなお話になるのか.誰しも興味あるところでしょう.
詳細は差し控えますが,ヒントを示すなら,
「電話機」「ネットワーク」「AI」
なんとなく想像できますか?

長編小説ではありますが,同じテーマによる12個のエピソードから構成されています.
1970年に,このような題材で小説を書いたとは,氏の先見性に驚くほかありません.


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