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「噛みあわない会話と、ある過去について」辻村深月

2018年10月14日 21時56分29秒 | 読書
「噛みあわない会話と、ある過去について」辻村深月


過去に受けた「いじめ」に対する復讐劇を中心とする4編の短編集.

普通の小説と違うのは,復讐されるのが主人公(語り部)ということ.

語り部たる主人公はいずれもきちんとした社会人で友達も多く,人格的にも問題なさそうに描かれる.
しかし,このミスリードに騙されると,強烈な復讐劇が始まると,自分が責められているような恐怖感を感じることになる.
この辺の話の持って行き方は,辻村さん,天才的だ.

特に男性諸氏は,過去に一度や二度は,奥さまや彼女から,「あの時あなたはこう言ったでしょう」と,強烈な一撃を食らったことがあるのではないでしょうか?
あの恐怖が思い出されます.

確かに言ったけど,そんなつもりじゃない!!って?そんなことは分かってます.

でも,その恐怖を忘れたいと日々思っていらっしゃる方は,この小説は読まない方が良い.

人に責められるようなことは,全く身に覚えがないという「あなただけ」,この本をお楽しみください.

図書館で借りた本で良かった.一刻も早く,返してしまいたい.







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