「父の詫び状」向田邦子
向田邦子のエッセイ集
家族にわがままを押しつけながらも,愛情が見え隠れする,昔気質の父との葛藤.
描かれている時代は昭和.
戦前から戦後,昭和10年代から昭和30年代の世相と,その中でつつましく暮らす庶民のお茶の間が舞台のエッセイ.
昭和という新しい(?)時代を生きた,明治男の不器用さが腹立たしくも痛々しい.
自分勝手な父を半分憎み,半分愛する娘の複雑な心理.
しかし,ここで描かれる,父と子の関係は,現在では通用しない.
下手すれば,子どもの虐待で訴えられてしまう.
要は,倫理や常識とは,その時代との「癒着」によって成立しているものであり,普遍的な価値観での評価なんか意味がないということ.
ただ,解説の沢木耕太郎氏によると,巷では,このエッセイ集の評価はものすごく高く,エッセイ集の「真打」と呼ばれているらしい.
ふ~ん.
向田邦子のエッセイ集
家族にわがままを押しつけながらも,愛情が見え隠れする,昔気質の父との葛藤.
描かれている時代は昭和.
戦前から戦後,昭和10年代から昭和30年代の世相と,その中でつつましく暮らす庶民のお茶の間が舞台のエッセイ.
昭和という新しい(?)時代を生きた,明治男の不器用さが腹立たしくも痛々しい.
自分勝手な父を半分憎み,半分愛する娘の複雑な心理.
しかし,ここで描かれる,父と子の関係は,現在では通用しない.
下手すれば,子どもの虐待で訴えられてしまう.
要は,倫理や常識とは,その時代との「癒着」によって成立しているものであり,普遍的な価値観での評価なんか意味がないということ.
ただ,解説の沢木耕太郎氏によると,巷では,このエッセイ集の評価はものすごく高く,エッセイ集の「真打」と呼ばれているらしい.
ふ~ん.