書く仕事

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「解決まではあと6人―5W1H殺人事件」岡嶋二人

2014年02月25日 16時43分24秒 | 読書
「解決まではあと6人―5W1H殺人事件」岡嶋二人




おかしな二人 → 岡嶋二人
というペンネームの由来は有名ですな.
井上夢人,田奈純一という二人の作家の合作です.

以前,「どんなに上手にかくれても」の感想を書きました.

「クラインの壺」というバーチャルリアリティの名作も既読です.
感想はアップしていないのですが,トータルリコールを彷彿とさせる物語でした.

今回の「解決まではあと6人―5W1H殺人事件」は,今までの探偵ものとは一線を画する新しい試みの作品です.

私は好きですね,こういう実験的な作品は.

長編なんですが,5つのエピソードからなる.
一つ一つは,別々の探偵事務所の探偵が主人公となります.
だから,5組の探偵が出てくるのね.
そして,共通しているのは依頼人なんです.

でも,その依頼人が全体の主人公というわけではない.
その依頼人は,ある意図をもって,一つの事件を5つの調査内容に分解して,一つずつ別の探偵事務所に依頼するわけです.

つまり,全体像を知られたくないためですね.

全体を把握しているのは,その依頼人と読者だけっていう仕組み.

最後に全体の謎を解く警官,堀之内君が出てきて,決着をつけるという流れです.

僕としては大変楽しめましたが,ストーリーを左右する登場人物が20名以上出てきて,名前を覚えるのが大変.

人名をメモしながら読むことをお勧めします.