書く仕事

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過疎地の三セク,悲痛な叫び

2007年10月25日 21時53分17秒 | 日記
このところ忙しくて,日記を5日間ほどサボってしまいました.

さて,今日は,鹿児島県の阿久根というところにある高校に,出前講義に行ってきました.
出前講義というのは俗称でして,今回の正式名称は「模擬授業型進路ガイダンス」というそうです.
もっとも,高校様によって違うようですが...
こちらとしては,いちいち違う名前で呼ぶのは面倒なので,出前講義と言っています.
早い話が(全然早くない!),大学の講義の様子とか専門分野の動向とかについて,面白おかしくお話をして,こちらの大学に目を向けてもらおうという,営業活動ですな.

地方の高校生は本当に純朴で,素直で,気持ちいいです.
こちらが予想したところで受けてくれる.
でも,なぜか入学希望者は増えないんだなあ[m:56]

今日の本題は,出前講義ではなくて,その高校へのアクセスに使ったローカル線のお話.

「肥薩オレンジ鉄道」っていうんですけどね.
九州新幹線が,新八代から鹿児島中央まで部分開業したことに伴い,いわゆる在来線の箇所が,JR九州から切り離され,第三セクターの「肥薩オレンジ鉄道」として再出発したのです.

しかし,なぜJR九州が手放したかというと,「儲かる見込みがない」からなんですよね.

それを第三セクターにしたからといって,赤が黒になるわけではない.

で,発見した写真が,この「肥薩オレンジ鉄道」の車内広告です.
どう思います?

常識的には(東京や大阪では)考えられない広告ですよね.

私も,見た瞬間は,「企業としてのプライドは無いのかい?と」思いました.でも,すぐに気が変わりました.
沿線の状況を見てきたからです.
車窓からの景色は,過疎を絵に描いたような寒村ばかり...この中で,利益を出せと言う方が無理でしょう.

JRを責めることもできないですよね.
JR九州自身,赤字に苦しんでいるわけですから,新幹線や主要な黒字区間を確保して,それ以外は手放したい気持ちも理解できる.

思うんですが,こういう所こそ,官が手を差し伸べるべきなのではないでしょうかね?
こういう儲からない路線,しかし地域の住民にとっては重要な生活インフラの一つである路線こそ,税金で営業すべきという気がします.
税金の使い方が間違っているとしか思えない.

新聞紙上で,小学生の全国学力テストの話題が出ているようですが,どの県の学力が上か下かをそんなに知りたいでしょうか?
あの結果が,77億円もかける価値のある情報でしょうか?
そんなお金があったら,こういう公共サービスにきちんと税金を使ってほしいですね.