書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「夜光虫」馳星周

2007年10月28日 21時22分24秒 | 読書



「悪」って何だろう.
ものを盗むこと?
人を騙すこと?
人を殺すこと

悪は裁かれなくてはならないのか?
たとえ,やむにやまれず犯した罪も,罪は罪なのか?

例えば,人を殺すと言う罪についても,もし,自分の頭の中で,「こいつを殺せ」という声がひっきりなしに聞こえたとしたら?
その声に従わなくては,気が狂いそうになるとしたら?
この小説は,そんな業を背負った罪深い犯罪者が主人公です.
元プロ野球のピッチャーで,ノーヒットノーランもやった事がある選手だが,キャンプで肩を壊して以来,第一線からは遠ざかり,やがて新天地を求めて,台湾へ渡ります.
しかし,そこでやくざとのつながりができてしまい,八百長野球に手を出してしまう.
その後は,まさに坂道を転がり落ちるように悪の世界にはまって行き,殺人まで犯してしまう.

しかし,これらの転落は実は巧妙に仕掛けられた罠だった...

読んでいる途中は,もうここまで落ちちゃうと,あとは主人公が死ぬしかないんじゃないかと思わせますが,実は,意外な真実とタフな主人公の本質が現れてきて,ある意味で予想外の結末を迎えます.

読後感は決して爽やかとは言いがたいですが,文章がうまくて飽きさせないのと,人間の業というか,血の業ですね,呪われた血筋が導く運命には決して逆らう事ができないという絶望感に,一種の安心感みたいなものまでが現れてきて,結構悪の世界に自分が浸っていることに驚かされます.

こどもの目に触れないように注意して,あなただけでこっそりお読みください.

美味!福岡聘珍樓(へいちんろう)

2007年10月28日 13時48分52秒 | 日記
一昨日の金曜日の夜に,友人と福岡の聘珍樓で食事してきました.
場所は中洲のgate's の11階にあります.

実は,最初ステーキを食べたいねという話をしてて,博多リバレインのイニミニマニモ6階の「ステーキハウス峰」に行ったんです.ところが,見事に満席でした.
2人だから予約を入れなくても大丈夫だろうと,たかをくくったのが失敗でした.
しかし,金曜の夜ということと,最近,峰はネットでも評判で,かなりの人気スポットなのだということを忘れていました.

仕方なく,リバレインのレストラン街を一通り見たんだけど,今ひとつピンと来る店がなかったので,通りを挟んで反対側のgate's に行き,なんとなく惹かれるものがあって,入ったのが,聘珍樓でした.

聘珍樓といえば,横浜中華街の顔とも言うべき高級中華レストランですね.
私も何度か行ったことがあります.

でも,ここ福岡聘珍樓はちょっと雰囲気が違います.
モダンというか,中華というよりむしろ木目を活かした西欧風の雰囲気.

で,お味の方は?
ご安心下さい.横浜中華街と同じです.つまり,めちゃおいしい.

食べるのに夢中で,写真を撮り忘れたくらいです.

定番のエビチリやスーパイコなど数品をいただいてから,スープチャーハンで締めました.
飲み物は生ビールの後,赤ワインを少々.

飲むのが目的ではないので,紹興酒や老酒はやめときました.

で,驚いたのが,お値段,二人で1万円ですよ.
一人5000円.

横浜の中華街の聘珍樓だと,こうはいかないでしょう?

コースを頼んじゃうと,高いし,欲しくないメニューもまざっているということで,全部アラカルトでオーダーしたんですよ.
一品ずつ欲しいものだけ頼む方が安いということがわかりました.
こういう高級店では,逆だと思っていましたよ.

峰には行けなかったけど,思わぬ拾い物をした気持ちになれました.

ありがとう,福岡聘珍樓