書く仕事

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「ニッポン樫鳥の謎」エラリークイーン

2007年10月14日 20時49分24秒 | 読書
ニッポン樫鳥の謎
エラリークイーンの国名シリーズの1冊ですが,日本が冠せられているにも関わらず未読でした.
大学の図書館でたまたま手にとって,読んでみようという気になった次第.
いわゆる密室殺人なのですが,その密室に一人だけ取り残された若い女性がいたことから,当然ながら,その女性に容疑がかかります.
つまり,その女性にしか殺人は起こせない状況ができ上がってたわけですね.
これをエラリークイーン探偵が救うというストーリー.

被害者も女性(女流作家)ですが,大変な日本贔屓で,家具・調度が全て日本からの取り寄せ品というところが変わっています.
昔日本に住んでいたし,父親は東京帝国大学教授まで勤めた事があるというわけ.

トリックも,その裏に隠れた真の犯人も,エラリークイーンならでの複雑精緻なもので,推理小説ファンを満足させてくれるものだと思いますが,殺された女流作家の召使が日本人の老婆なんですが,名前が「キヌメ」っていうんですよ.
そんな名前,昔あったのかなあ?

あと,訳がいまひとつでした.
意味は充分通じるのですが,表現がちょっと日本語として自然さに欠ける気がしました.
訳も,「china town(中華街)」(想像ですが)を「シナ町」と訳していて,首を傾げたくなることが何度か.

ただ,全体としてはとても面白くて充分満足しました.