書く仕事

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「三国志(3)」 吉川英治

2007年06月24日 13時03分11秒 | 読書

三国志(3)まで読み進みました。
三国志とそれ以外の小説を交互に読むというスタイルが定着しちゃいましたね。
(2)で董卓を死に追いやった呂布が、今回は部下の裏切りで曹操に破れ、首をはねらられます。
裏切りと寝返りの連続で、誰が誰の味方か敵か、猫の目のように大勢が変わります。
呂布亡き後は、多くの戦いの果てに、曹操と袁紹の2大勢力へと集約されていきますが、運命の皮肉か、劉備玄徳は袁紹に、関羽は曹操に匿われる身となり、図らずも、敵味方の陣中で辛い時を過ごすことになります。

しかし、玄徳・関羽の心中は篤い主従の絆で結ばれ、直接語り合う事がなくても、と、真心と真心とでつながり、再会に向けてお互いに苦闘するのでした。

この小説を読んでいると、作者の一つの主張が見えてきますね。
それは、人と人との間に生じる、尊敬とか思いやりとか、そういう、他者への想いが原動力となっている場合は、人は判断を誤ることは少ないと...
一方、天下を取るとか、領土を拡げるとか、単なる野心から動いたことというのは往々にして判断を誤ることがあると。
つまり、愛とか思いやりとかの、純粋な気持ちに日々の行動規範がなければ、決して物事は成功しないということですね。

まあ、単なる野心以外の、純粋な気持ちから、人殺しの塊である戦争をしようということ自体、自己矛盾を含んでいるわけですから、そもそも、野心家とは、本質的に失敗するようにできているということなんですね。

さて、関羽は、果たして玄徳に無事再会できるか?
張飛は無事逃げ延びたか?
第4巻を乞うご期待。