書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「三国志(2)」吉川英治

2007年05月29日 22時16分42秒 | 読書

皇帝の断りもなく勝手に洛陽から長安へ遷都し、傍若無人の限りをつくした董卓が、呂布の裏切りでついに死にます。
しかし、単純な裏切りではありませんでした。
ミッションインポシブル顔負けの巧妙な仕掛けがありました。
董卓ある限り、平安の世は来ないと考えた王允は、自分の養女、貂蝉(ちょうせん)がまれに見る美女であることを利用して、一計を案じたのです。
つまり貂蝉に言い含め、董卓と呂布の二股をかけさせたのです。
それも、最初に呂布に想いがあるように見せかけて喜ばせた後に、董卓にも色目を使わせ、呂布から貂蝉を奪う形で妾とさせてしまうのです。
しかし、貂蝉は折を見ては、呂布に想いを打ち明け(もちろん嘘だけど)、董卓を亡き者とするよう訴えたのです。
で、ついに呂布は董卓を裏切り、彼を殺してしまう。
非常な美女を傾城・傾国といいますが、まさに美女貂蝉の魅力が城と国を傾けてしまったわけですね。
この後、曹操、呂布、袁術、玄徳、孫策らの虚虚実実の謀略合戦がこの第2巻の骨子となります。
非常に面白いのですが、物語が複雑になりすぎて、誰が誰の味方だかがわからなくなってしまう事がしばしばで、何度も前を読み返しました。
それにしても、この後、話がどうなるのかとても楽しみです。