風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

NHK交響楽団 第1884回定期公演 Bプロ @サントリーホール(4月26日)

2018-05-03 00:13:04 | クラシック音楽



29日のオーチャード公演の存在を忘れている気の早すぎるN響twitter

私のブロムさん祭り最終夜は、サントリーホール公演の2日目でした。私達が生きている「今」を、そして200年前の「今」を生きていたベートーヴェンの心を鮮やかに感じさせてもらえた夜でした。

【ベートーヴェン (1770~1827) 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93 (約27分)】
可愛らしく跳ねるような音の箇所では小さく笑みを浮かべるブロムシュテット。
そんな少年のような指揮から生み出される音楽の、なんという楽しさ
ベートーヴェンは完全に聴覚を失っていて、こういう曲を作ったのですねぇ。
ベートーヴェンの人間そのものを聴いているような気持ちになったのはなぜだろう。ブロムさんの演奏会はいつもそう(私にとってはハイティンクもそうで、だからこのお二人が好き)。
今日もクラリネットが綺麗な音色 ベートーヴェンやモーツァルトの木管の使い方って、温かくて美しくて好き。

【ベートーヴェン (1770~1827) 交響曲 第7番 イ長調 作品92 (約43分)】
なんという輝かしさでしょう。
第三楽章のトリオなどはyoutubeで予習したウィーンフィルとの演奏と比べやたらと速く聴こえ、戸惑ったのは0.01秒くらい(この速さが最新版採用の結果なのかどうかは知らない)。ブロムさんの音楽を聴くのはこれが最後という可能性もあるのだなぁなどという思いも遠くどこかへ行ってしまい、ただひたすらに「この音楽は”今ここで”作られているんだなあ」と鮮烈に感じていました。速度が速いからではなく、その生き生きとした生命力と、目の前で一瞬一瞬に新しく生まれてくる音のあまりに自然な美しさに。
この曲を作曲したときの40代前半の肉体と精神をもったベートーヴェンが音楽という形で目の前にいるようだった。今の私と同い年の、私よりずっと若々しい精神をもったベートーヴェン。

繰り返しが繰り返しでなく聴こえる(演奏が着実に前へ前へと進んでいっているように感じられる)のはゲヴァントハウスのときと同じ。そこに漂うただならぬ気配も。「一つの交響曲」を聴いている感じ、絶対に乱暴にならないのに突き抜けた演奏、弱音の美しさ、からのフレージングの膨らむような盛り上がり。今回もたっぷりと堪能させていただきました。
そして最終楽章のブロムさんの指揮姿の大きさとキレ、指揮者が「音楽そのもの」にみえるあの感じは、見ていて本当に幸せな気分になる。

ああ、いい夜だった。この爽快感。多幸感。
本当にありがとうブロムさん&あそこまで連れていってくださったN響の皆さん。そして、最高のマナーだった聴衆の皆さん。
次回のブロムさん来日予定は10月とのこと

ところでブロムさんが促したオケのPブロックへの挨拶に関して一部で話題になっていましたが、来日オケのときは殆どの演奏会であるように思うのだけれど、日本のオケでは珍しいのかな

ブロムシュテット インタビュー(本日のプログラムについて)



ブロムさん、旭日中授章ご受章おめでとうございます
しかしムーティさんが旭日重光章でブロムさんは旭日中授章なのは、一体どういう基準なのだろう・・(すうぇーでんよりいたりあとの関係の方が政治上重要的な・・?)
バンベルク響のツイ、take off our headsて
旭日章の英名って"Order of the Rising Sun"なんですねー。カコイイ響き

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