2007年6月7日(木)
スイスの東の端、イタリアとの国境近くに、ミュスタイアという小さな村がある。
この村の聖ヨハネ・ベネディクト会修道院は世界遺産にも登録されており、
その壁に残されたフレスコ画「最後の審判」は、現存する世界最古の作品と言われている。
今回の旅行のメインイベントはこのミュスタイアへの一泊旅行だった。
電車を乗り継いで5時間弱の長距離移動。
あいにくの曇り空ではあったが、途中の乗り換え駅からは雪山も見えた。
チョコレートをパリパリ食べながらの電車の旅。
スイスと言えばチョコレート。やはり美味しい。
スイス人の1人あたりのチョコレート消費量は世界一だそうだ。
ツェルネッツという駅からは郵便バスに乗り換え、目的地を目指す。
けっこうな山道で、道の片側は崖っぷち。
はるか下の方に小さく川が流れているのが見える。
まさに「秘境」という言葉がぴったりの場所。
途中に点在する村は、村によって建物の装飾が違っていてとても美しかった。
←滞在したホテル。
この辺りはかわいらしいホテルがたくさん立ち並んでいる。
オーストリアやイタリアからバイクでツーリングに訪れる人たちがたくさんいた。
ホテルの階段の踊り場にはアンティークの家具が飾られていて、
「かわいい~!!」「おしゃれ~!!」「持って帰りたい~!!」を連発。
そう言えばスイス滞在中に何度「かわいい」と叫んだことだろう。
本当にかわいいものだらけの国なのだ。
ミュスタイアは山に囲まれた谷間の村。
牛が首につけているカウベルのカランカランという音が遠くからもよく聞こえる。
ホテルの窓からも牛さんが見えた。
そしてこれが聖ヨハネ・ベネディクト会修道院。
今でもここで修道女たちが祈りを捧げながら生活している。
ガイド付きで中を案内してもらった。
修道院の中は異常なくらいにひんやりしていた。
ここではるか昔から修道士・修道女たちが寒さに震えながら敬虔にストイックに生活をしてきたのだ。
とは言っても残念ながら英語のガイドはなく、ドイツ語。
一言も分からない・・・・。
ちなみにミュスタイアの辺りはイタリア語圏。
スイスは地域によってドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語圏に分かれている。
同じ国内で言葉が全然違うって不思議だ。
電車内のアナウンスも、ある駅を堺に言葉が変わるらしい。
話がそれたが、修道院のガイドの最後が教会のフレスコ画であった。
高い壁の全面に描かれたフレスコ画。
想像していた以上に色彩は鮮やかで、想像していた以上にその絵は
おどろおどろしかった。
修道院の中にある絵や像もそうなのだが、美しいというよりは残酷で心が痛むものが多い。
冬の極寒の修道院での泣きたいような祈りがここには滲みついている気がした。
←雲が晴れた
そこらのレストランであまりおいしいとは言えないパスタを頂き、
コーヒーリキュールにクリームをのせたデザート(これはおいしかった)を
楽しんで、3日目終了。