主人公柏木聖輔、19歳。東京都江東区にある砂町銀座を空腹を抱えて歩く。食べ歩きで有名なこの商店街、一軒の総菜屋の前に。ポケットには55円しかない。コロッケが50円、「コロッケを」という柏木の声にかぶさるように「コロッケとハムカツとアジフライ」とおばちゃんの声。「先、どうぞ」と最後のコロッケを見送った。主人が50円に負けてくれた120円のメンチカツ。財布に「御縁」が残った。そこで働くことにした。大学2年の途中で退学。その前に料理人だった父が交通事故(自損)で亡くなり、それでも大学は法政大。2年の途中、母が突然死していたことを知らされた。そして大学を止めた。総菜屋で働きながら、調理師を目指すことにした。大学の同級生、新たに出会った人、偶然再会した高校の同級生。あやしい遠縁の男。いろいろな出会いの中で、自分の生き方をする中で、また人と出会う。そんな物語。2019年本屋大賞第2位の作品。☆☆☆☆。
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