されば悲しきアホの家系(続々……々々々々々)

 
 さて、二条の家に親族たちが集まるのは、正月、盆、そして法事というイベントで、これが私にはなんとも面白くないものだった。
 
 正月、二条の家に着くと私は、「明けましておめでとうございまーす」と挨拶してから、チーン! と鳴らして、ダダダッと2階へ駆け上る。
 が、父はまず玄関で深々と頭を下げて挨拶し、それから部屋に上がって、居住まいを正して正座して、額が畳にぶつかるくらいにぺこぺこと頭を下げながら、
「明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりまして。今年も何とぞ一つよろしゅうに。ふつつかではございますが……云々。とんでもございません、こちらこそ……云々。何とぞ力強いご支持、ご支援を……云々(おいおい、選挙か?)」と10分くらい続ける。この他人行儀、親しきなかにも礼儀あり、というわけ。

 父の兄弟姉妹も同じように長々しく挨拶する。で、これが、新たに来客があるたびごとに繰り返される。
 例によってみんな、声がでかすぎるもんだから、全部2階に筒抜けてくる。揃いも揃って、つまらない、無駄なことばかりをして、長くもない一生を無駄にするもんだ。

 To be continued...

 画像は、クストーディエフ「チェックのショールを着た少女」。
  ボリス・クストーディエフ(Boris Kustodiev, 1878-1927, Russian)

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