されば悲しきアホの家系(続々…………々々)

 
 2階に来ると私は、テンちゃんの手前、従姉の少女趣味の少女漫画はやめにして、タロット占いの本を取り出して読み始めた。1階は例のごとく、えらい騒ぎで会話している。
 しばらくすると、テンちゃんが2階へやって来た。手持ち無沙汰にウロウロと、家のなかを見学している。そして、畳に坐り込んで本を読んでいる私を、上から覗き込んだ。
「やっぱり女の子だね」
 私のもたれかかっていた本棚に、従姉の少女漫画がずらりと並べてあったのだった。

 え? テンちゃん、今、私の読んでるの、センチな少女漫画じゃないんだよ。これ、タロットの本だよ。私、女の子ってほど女の子じゃないよ。
 弁解したくなったけれど、やめておいた。こんなことなら「悪魔の花嫁」の続きを読みゃよかったよ。

 テンちゃんはしっかりした厳しい名古屋の家で、男兄弟で育ったのだ。きっと女の子を知らなくて、女の子に対するイメージが狭かったのだ。そう思った。

 さて、法事ではいつも、祇園の料亭に注文した弁当が出る。読経と焼香の前に、腹ごしらえに弁当を食べる。
 私が奥の部屋で弁当をもぐもぐ食べていると、テンちゃんがやって来て覗き込んだ。
「チマルちゃんは、好きなものを残して最後に食べるタイプなんだね」

 え? 違うよ。この麩まんじゅうは、デザートだから最後に食べるんだよ。好きだから取っとくわけじゃ、ないんだよ。
 またもや弁解したくなったけど、やめておいた。

 To be continued...

 画像は、リード「本を読む二人の少女」。
  ロバート・リード(Robert Reid, 1862-1929, American)

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