されば悲しきアホの家系(続々……々々々々々々)

 
 おせち料理に呼ばれたら、仕方がないから1階に行く。が、ただでさえ多い兄弟姉妹が、それぞれ夫子、妻子を連れてやって来るのだから、コタツに収まりようがない。
 コタツから離れて食べても、誰にも文句を言われないのが分かっているので、自分の取り分だけ皿に入れ、隅のほうでサササッと食べて2階に戻る。

 食事が済むと、大人たちは酒を飲み始める。もともとデカすぎる声が、ますますデカくなる。今やたけなわ、ぎゃあぎゃあ、ぎゃはは、ぎゃひい~、と騒音の渦。1階はさながら叫喚地獄と化する。おまけに煙い。まともな神経を持つ人間なら耐えられまいこと請け合い。
 そのうち、少し静かになる。酒がまわって、男どもが正体なく寝始めるのだ。すると今度は、ぼそぼそという声が階段を這いのぼってくる。女どもが、茶をすすりながら交わす世間話だ。

 2階では、子供たち(=私の従兄姉妹たち)がテレビを観る。正月に限って面白くない番組ばかりが流れるものだが、みんな、タレントを噂し合ったり、げらげらと笑ったりしながら、それを観る。
 私はと言うと、一人隅に退いて、ただひたすらに漫画を読んでいる。「ベルサイユのばら」に続いて、「王家の紋章」を読了。次は「エロイカより愛をこめて」に突入である。

 こうして、短い冬休みの貴重な一日を、私は毎年無駄に過ごして生きてきた。

 To be continued...

 画像は、セザンヌ「祝宴」。
  ポール・セザンヌ(Paul Cezanne, 1839-1906, French)

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