黒揚羽ゆらりときたりたちまちに身ぬち息づく死者の羽衣
壊れつつ生きるいのちの花伽藍たましひはいま抱かれてをりぬ
まあたらしき死者のこゑすひらきたる鉄砲百合を覗きてをれば
目薬をさすとあふむく秋空に金の時雨がながれてゐたり
すみれすみれ死神のやうにつめたくてかなしかりけり父の静脈
(日高堯子 樹雨 北冬社)
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かりんのひと。以前に「黒髪考、そして女歌のために」をぱらぱらと読んだ。
樹雨は第五歌集。自然の蝶や花を詠いながら、奥が深い。
旧かなの良さを感じた。
壊れつつ生きるいのちの花伽藍たましひはいま抱かれてをりぬ
まあたらしき死者のこゑすひらきたる鉄砲百合を覗きてをれば
目薬をさすとあふむく秋空に金の時雨がながれてゐたり
すみれすみれ死神のやうにつめたくてかなしかりけり父の静脈
(日高堯子 樹雨 北冬社)
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かりんのひと。以前に「黒髪考、そして女歌のために」をぱらぱらと読んだ。
樹雨は第五歌集。自然の蝶や花を詠いながら、奥が深い。
旧かなの良さを感じた。