君の見る夢んなかにもわしはいてブルーベル咲く森をゆく傘
だれひとり殺さずだれにも殺されず生き抜くことができますように
ふくれたりちぢんだりして銀の火がそこにあるかのような文鳥
天上の蓮 錠剤を飲む人のてのひらを手でささえていたり
肩と膝ささえて体位を変えるとき天球がそのひとのまわりを回る
生涯をかけてしずめることやろうわしとはわしをおわらせる沼
薄野に寝入るここちの蚊帳とゆうおかしなもんを祖母はしつらえ
くちびるをはずせば鯛は歯を見せて煮汁んなかにわらっていたり
くちばしがとどかん場所にさしてある青菜みたいにことばはとおい
世界樹のこれから描こうとするもんとかかれるもんのあわいに繁る
(吉岡太朗 世界樹の素描 書肆侃侃房)
だれひとり殺さずだれにも殺されず生き抜くことができますように
ふくれたりちぢんだりして銀の火がそこにあるかのような文鳥
天上の蓮 錠剤を飲む人のてのひらを手でささえていたり
肩と膝ささえて体位を変えるとき天球がそのひとのまわりを回る
生涯をかけてしずめることやろうわしとはわしをおわらせる沼
薄野に寝入るここちの蚊帳とゆうおかしなもんを祖母はしつらえ
くちびるをはずせば鯛は歯を見せて煮汁んなかにわらっていたり
くちばしがとどかん場所にさしてある青菜みたいにことばはとおい
世界樹のこれから描こうとするもんとかかれるもんのあわいに繁る
(吉岡太朗 世界樹の素描 書肆侃侃房)