気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

静ごころなく 蒔田さくら子

2005-03-27 21:47:35 | つれづれ
シクラメンもばらも真つ赤が好きになり静ごころにはいまだ到らず

雁がねの文様の帯形見とてかへらぬ母を哭きし日ありき

よき老と死を得し天寿の姑に及びしやわが夭逝の母

在らばいかなる老い見つむらむかおもかげの母の若きを今はよろこぶ

ひつそりと身を退(ひ)くごとく夕闇に溶けてかぐはし白梅の意気

(蒔田さくら子 短歌4月号)

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蒔田さんには、上品な白梅の意気を感じる。
2、3、4首目、早くに亡くなられたお母様を詠まれたのだろう。
私も同じ身の上なので、感情移入して読んだ。母への思いをこういう風に詠めたらいいと思うがまだまだ至らない。

まぼろしの母の日傘に会ひに行く省線大阪森ノ宮駅
(近藤かすみ)