みどりにはみどり重ねて五月尽つねに勝者としてわれは居き
遠き太鼓の音聴くやうに人と居て人の話をまつたく聞かず
アカシアの雨まだやまずほんたうは我を明け渡してしまひたき
いつか犬のおかあさんになるといふ夢が我にあり犬に言葉かけつつ
春を待つ心にも似て退院の日を待つ心どうでもよろし
(大口玲子 東北)
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犬のおかあさんになる…という歌、はじめは暢気なほのぼのした願いかと思っていたが、歌集一冊を読んでその背景がわかると、ちがう意味で迫って来る歌だった。
「どうでもよろし」という心境に達することが大事なのだろう。ほとんどは憂鬱であっても、ときどき「どうでもよろし」と思えたら…。
遠き太鼓の音聴くやうに人と居て人の話をまつたく聞かず
アカシアの雨まだやまずほんたうは我を明け渡してしまひたき
いつか犬のおかあさんになるといふ夢が我にあり犬に言葉かけつつ
春を待つ心にも似て退院の日を待つ心どうでもよろし
(大口玲子 東北)
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犬のおかあさんになる…という歌、はじめは暢気なほのぼのした願いかと思っていたが、歌集一冊を読んでその背景がわかると、ちがう意味で迫って来る歌だった。
「どうでもよろし」という心境に達することが大事なのだろう。ほとんどは憂鬱であっても、ときどき「どうでもよろし」と思えたら…。