目を病みてあふぐ並木のさくらばな下之橋御門の堤に浄し
(青輝翼)
ひとひらの貝の形の皿の上「花遊山」てふ菓子置かれをり
(有沢螢)
街中の染井吉野は咲き満ちて窒息しそうなわれが立ちおり
(関谷啓子)
月天心水仙のはなほの白く春のかをりのなかを歩めり
(大森浄子)
きのふけふ中国山地を巡り来し列車に乗りて、乗りて何せむ
(八木明子)
静けさと時間が少し要るのです花の波動を受け取るまでに
(武藤ゆかり)
みなみかぜは福島よりくる風なればこころして受く桜とともに
(洞口千恵)
一枚の紙を重ねてゆくように生きんや今日の靴も選びて
(岩下静香)
滝のごとさくらは堀に傾れつつ白鷺の城をいろどりてをり
(西橋美保)
わが庭に孫が植ゑたるチューリップひとつ花咲きみつつの蕾
(小池光)
***********************************
短歌人6月号。同人1欄より。
(青輝翼)
ひとひらの貝の形の皿の上「花遊山」てふ菓子置かれをり
(有沢螢)
街中の染井吉野は咲き満ちて窒息しそうなわれが立ちおり
(関谷啓子)
月天心水仙のはなほの白く春のかをりのなかを歩めり
(大森浄子)
きのふけふ中国山地を巡り来し列車に乗りて、乗りて何せむ
(八木明子)
静けさと時間が少し要るのです花の波動を受け取るまでに
(武藤ゆかり)
みなみかぜは福島よりくる風なればこころして受く桜とともに
(洞口千恵)
一枚の紙を重ねてゆくように生きんや今日の靴も選びて
(岩下静香)
滝のごとさくらは堀に傾れつつ白鷺の城をいろどりてをり
(西橋美保)
わが庭に孫が植ゑたるチューリップひとつ花咲きみつつの蕾
(小池光)
***********************************
短歌人6月号。同人1欄より。