気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

葉ざくら

2005-03-06 22:05:26 | つれづれ
かがまりて君の靴紐結びやる卑近なかたちよ倖せといふは

冬の皺よせゐる海よ今少し生きて己れの無惨を見むか

葉ざくらの記憶かなしむうつ伏せのわれの背中はまだ無瑕なり

(中城ふみ子 乳房喪失)

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関西短歌人会の行きかえりの電車で、夭折の歌人中城ふみ子(中島美千代著)を拾い読みする。大正11年生まれだから、私の母親より一歳年上ということになる。

関西歌会は23首の詠草が出て、多彩な意見が交換された。