気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

きのうの朝日歌壇

2006-10-31 22:54:08 | 朝日歌壇
赤ちゃんは抱っこが好きで母さんはねんねが好きで秋の夜長し
(鈴鹿市 長谷川光代)

団塊の皆それぞれに荷を抱え弱音を吐けば負けだと思う
(松戸市 石井久子)

高瀬川一之船入池の奥五位鷺一羽石に動かず
(京都市 高橋雅雄)

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一首目。選者の佐佐木幸綱氏は平和な時代の母と子というのどかな読み方をされているが、私には小さい子どものいる圧迫感が感じられた。その良き時代を楽しめなかったことに未だに後悔がある。
二首目。そのとおりの歌。弱音を吐けば負けだと思う作者は強い人。すぐに弱音を吐いて、なぐさめてもらいたがる人のなんと多いことか。つまらないことで、私ってもう年でだめね~と甘えた声を出すおばさんたちとは、あまりお付き合いしたくない。さりとて、気の強い人というのも苦手。同性なら年の離れた人、または異性の方が気が楽である。
三首目。高瀬川一之船入という地名に心ひかれた。私の父はその場所にある某メーカーに永年勤務していて、この地名に大変な愛着を持っていたから。