気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ずつたんぼ

2005-03-16 21:12:18 | つれづれ
ひと集ふ 蔑する人ゆ蔑さるる人へ見えざる泥送られて

あほらしうなつたるわれはずつたんぼ、ずつたんぼ、と挽肉こねつ

らふそくのかたち消えたりらふそくの芯はたふれてなほ火を掲ぐ

ひとところ引くとわたしはあみもののやうにほどけていつてしまう

さまざまの悪感情がわたくしを轢くゆゑけふの夕餉は鰻

(多田零 茉莉花のために)

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多田さんは、私より年下の大先輩。
なんとも女っぽい艶っぽい、しかし性根はわからない。
日常であほらしうなったら、必ず頭の中で「ずつたんぼ」が鳴る。
けふもさうだつた。