気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ピアス

2009-02-12 13:38:14 | 来しかた
母をらばきつと嫌がる紅き爪、栗色の髪、ピアスはまだせず

(近藤かすみ 短歌人2005年12月号卓上噴水)

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短歌とはまったく縁のない生活をしていた私が、七年半ほど前にはじめて作った歌。
当時、書店のパートタイマーをしていたものの、子育てもほぼ終わり何か心に空洞のようなものを感じていた。

父の日に思い立って墓参りに行ったとき、ふと亡き父母の歌を作ってみた。当時、同年代のメーリングリストに入っていて、そこの管理人さんが俳句をする人で、ちょっと俳句、短歌がブームになっていたのだ。
その後、それだけでは飽き足らず、新アララギのメーリングリスト(今はない)に入ったり、そこで添削をしてもらったり、家から近い京都精華大学の短歌講座(岡井隆先生)に通うようになる。どこの結社に入るか、いろいろ比較検討しているとき、小池さんから見本誌が直接送られて来たので、2002年春に短歌人会に入会する。

この作品は、卓上噴水に作品を出して欲しいとの依頼があったとき、急死した母のことをテーマに詠んだ連作の中に入れた。
当時は「旧かな」ということさえ知らなかったので、初句は「母いれば」だったと思う。結句は字余りである。

今月末に出る短歌人三月号にも、また母のことをテーマにした作品を送っている。ピアスの歌もある。私の歌は成長しているのだろうか。

ピアスはまだしないままだ。