気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

葉山暮色 若林のぶ

2005-03-28 22:48:02 | つれづれ
趣味を通じ楽しく対話するなんて馬鹿馬鹿しくはないのかどしや降り

倚りかかつてもいいのぢやないのこのベンチ不都合な事は一つづつ終る

高瀬氏は恋人なのか それつきりもの言はぬ夫との夕餉を終へぬ

いのち濃きものは清しき葉鶏頭 葉の芯までもひたにくれなゐ

どなたさまか醜きものを美しくして下さるといふ海へ行きます

(若林のぶ 葉山暮色)

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短歌人4月号の三角點のページで若林のぶさんが「歌歴六十年」と書いておられる。そこに「私も初心に還って六十一年の一歩を踏み出したい」とある。この若さに感動する。
奥村晃作短歌ワールドの日記を見ると、斉藤斎藤『渡辺のわたし』批評会にも若林さんは出席された様子。すてきなお手本を見る思いがする。

私も、ずっと気にかかっていたことが、ひとつ解決する気配。自分でどうしようもなくなるとき、若林さんの「不都合なことは一つづつ終る」という言葉に何度も励まされた。
画像は宝ヶ池公園のベンチ。