気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

樹雨  日高堯子

2005-03-30 20:37:18 | つれづれ
黒揚羽ゆらりときたりたちまちに身ぬち息づく死者の羽衣

壊れつつ生きるいのちの花伽藍たましひはいま抱かれてをりぬ

まあたらしき死者のこゑすひらきたる鉄砲百合を覗きてをれば

目薬をさすとあふむく秋空に金の時雨がながれてゐたり

すみれすみれ死神のやうにつめたくてかなしかりけり父の静脈

(日高堯子 樹雨 北冬社)

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かりんのひと。以前に「黒髪考、そして女歌のために」をぱらぱらと読んだ。
樹雨は第五歌集。自然の蝶や花を詠いながら、奥が深い。
旧かなの良さを感じた。

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