団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

猛暑日と体力

2016年08月10日 | Weblog

「  カァーン カン カン」の金属音が止まない。天気予報では37度を超すと言っていた。音は向かいの12階建ての集合住宅からである。大規模修繕が終わったらしい。集合住宅の4つの壁面を被っていた防音ネット、足場の鉄枠などを解体除去している。金属音だけではない。働いている人たちの声も聞こえる。何を言っているのかはわからない。人の声も金属音も集合住宅の壁面や山に反響する。おまけに我が家の前を流れる川の音も混じる。

 今年の夏、私は体力を更に落としたらしい。先日、住む町から電車を乗り継いて2時間くらいのところに住む友人宅に招かれた。年に数回呼んでもらっている。今回友人が住む集合住宅の大規模修繕が始まるのでその前にとのお呼ばれだ。何でも足場とネットで覆われ家の中が鬱陶しく暑苦しくなるそうだ。お呼ばれ好きの私は妻と喜んではせ参じることにした。

 しかし何か今年は体力に自信がない。それにまた昼間から飲むと妻が酔って帰りの電車の乗り換えが大変になる。妻に相談してホテルに泊まって翌日ゆっくり帰宅することにした。当日、暑い日だった。全員で9人の会だった。飲み話しよく食べた。やはり妻は相当酔った。私もホテルに泊まる安心感が酒の量を増やさせ、いい気分になった。ホテル宿泊は良い案だった。

 ブラジル・リオ・オリンピックが始まった。甲子園の高校野球も始まった。エアコンが効いた涼しい部屋でのテレビ・スポーツ観戦は楽しい。と同じに自分が世の中から外れている悲哀も感じる。かつて自分も夏の暑さをものともせず真夏の太陽のもと労働、スポーツをした。脱水症になったこともない。そうなることを心配したこともない。汗を流すことが気持ち良いと思っていた。妻の海外勤務に同伴して暮らした国々は凄く暑いか寒いかのどちらかだった。それでも何とか12年間の妻の勤務を支えることができた。

 今度の13日土曜日友人夫妻がゴルフに誘ってくれた。しかしこの猛暑の中、ゴルフをする自信はない。残念だが断った。友人は同い年である。この暑さの中でゴルフをする気力体力を羨ましく思う。同級生同窓生、同年輩を見回すと明らかに差が出て来た。元気な者も多いが、歳相応に行動を控えている者も増える一方である。交際範囲がみな家族中心になってきている。

 そんな折、8日に天皇陛下がお気持ちをビデオで発表された。その発表を拝聴しながら天皇陛下は“完璧主義”なのではと推察した。ご自身の公務を完璧に果たすという責任感の強さを行間にあふれさせた。いつもながらスピーチが素晴らしい。特に間の取り方、抑揚に高貴な品性が滲み出る。国民と国を思われるお気持ち、年齢による死を覚悟され残されるご自身の家族へのお気持ちが伝わる。不謹慎ながら7日のNHK大河ドラマ『真田丸』で秀吉の最後と比べてしまった。天下人であった秀吉は最後まで「秀頼を・・・」を繰り返し、「人民を」「日本を」はなかった。

 確かに私も体力が落ちてきている。身の程をわきまえ、できる、できないを素直に認め、無理せず自然体で日々過ごしたい。重労働はもうできない。感謝、賞賛することはできる

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国際争奪戦 ドラゴンフルー... | トップ | イチローが嫌い »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事