団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

モザンビークからの絵葉書

2024年04月19日 | Weblog

  友人の娘さんは、今、アフリカのモザンビークに住んでいる。夫が国連職員で二人の子供を連れて一家でモザンビークで暮らしている。その彼女から絵葉書が届いた。

 絵葉書の写真に裸足でゴムのタイヤを転がして遊ぶ子供や一緒に走っている子供が写っている。私も妻の任地がセネガルだった時、アフリカに2年間暮らした。セネガルの村の子供たちが遊んでいた風景に似ている。

 私は、子供の頃、“絶壁”というあだ名を近所の子供たちから授けられていた。私の後頭部がまったいらなので、絶壁の崖のようだと称されたのだ。ポコッと後頭部が出っ張っているカッコイイ後頭部の人を見るとコンプレックスを持った。結婚して子供が生まれた時、一番さきに後頭部を見た。あまりポコッとはしていなかった。子供が私と同じく絶壁頭にならないように願った。ドーナッツ型の枕で後頭部の形を矯正する方法を知った。ドーナッツ型の枕を買った。そのせいか長男の後頭部は、それなりにポコッと突き出た。

 アフリカで驚いた。見る子供、どの子の後頭部も見事なポコッとしていてカッコよい。頭蓋骨の形は、人種的に特徴があるのであろう。日本で絶壁とあだ名をつけられた私にとって、なんとも羨ましいほど皆後頭部がかっこよかった。

 You Tubeは、世界のどこの動画も観られる。私は、時々、アフリカの子供たちが踊る『Masaka Kids Africana』を観る。アフリカのセネガルでもよく子供たちが、音楽が流れるとキレッキレに踊っていた。ガソリンスタンドなどで、何かの売り出しなどの催しをすると、音楽をガンガンかけていた。客より近所の子供たちが、ガソリンスタンドの音楽が良く聴こえる空地で踊っていた。その踊りは、まさに『Masaka Kids Africana』で披露されているような見事な踊りだ。

 アフリカのセネガルにいた時、リゾートホテルのプールサイドでランチやディナーのショーに出かけた。子供は出演していなかったが、やはり踊りは、素晴らしかった。音楽と動きが一体化していた。跳んだりバク転したり。特に男性ダンサーも女性ダンサーもお尻に別な生き物が潜んでいるのではと思える程のお尻の動きだった。ダンサーの見事なポコッとした後頭部にも見惚れたものだ。日本人もいろいろなダンスの世界で活躍しているようだが、アフリカで観た踊りとは、何か違う。日本人が得意とするのは、集団で一糸乱れずに踊るタイプ。アフリカのダンスは、踊り手がそれぞれ音楽に合わせて自己表現しているように思える。アフリカの厳しい生活環境の中で、娯楽も少ないから、音楽と踊りに没頭して自己陶酔しているようにも見える。

 友人の娘さんのモザンビークでの生活も厳しいという。郵便事情も悪く、日本からの小包は、送付不可能。郵便局に持ち込んでも受け付けてくれない。モザンビークからの絵葉書も3カ月かかっていた。治安も悪く苦労されている。そんな中、屈託がない元気はつらつな子供たちが遊ぶ写真の絵葉書を送ってくれた。我が家で一緒に食事したり、飲んだり、話したことが懐かしく、また会いたいと書いて来た。地球の反対側で頑張る日本人がいる。帰国したら招いて労をねぎらいたい。返事のメールを送信したが、戻ってきてしまった。歯がゆい。モザンビークは、遠い国だ。


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