団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

今年が最後

2013年12月16日 | Weblog

 今年のワイン会は2回に分けた。12月1日に1回終え、昨日14日に2回目を終えた。2回に分けたのは、参加者が少しでも何かと忙しい年末に参加できる機会を増やせたら良いと思ってのことだった。それが効を奏して去年参加できなかった方々にも参加してもらえた。

 妻からはマゾヒスティックと批判を受けながらも絶大な協力を得ることができ、今回のワイン会を乗り切った最大の功労者になってもらえた。去年は日本製の高い高機能を謳って宣伝していた真新しい十数万円したオーブンレンジで大失態を犯した。料理をしたこともない優秀な技術者が設計製作したであろうこのオーブンには、決定的な欠点があった。調理を連続してできないのである。1回200度でオーブンを1時間使用してすぐそのあとに使おうと思っても、冷却時間が数十分必要となり、連続使用が不可能になる。あと料理によってはオーブンの扉を開けたまま加熱しなければならないのだが、このことができない。お利口な機械は、扉が開いていると、音声機能が「トビラが開いています。閉めてください」と連呼し続ける。当然オーブンは使えなくなる。赫して去年はこの高価なお利口すぎるオーブンに振り回された。私は料理を予定通りに出すことができず大番狂わせにパニックになった。この日本製高級オーブンは一日に数回使用するためのものであってパーティなどの連続使用には向かない。去年の失敗に学び、今年は引退させたディロンギの古いオーブンを納戸から出して、新しいディロンギとの2台をフルに使って滞りなく調理できた。日本の家電業界がガラパゴスなどと揶揄され、業績も振るわない原因に直面させられた。

  普段、私はイタリアのディロンギ社の2万円で買えるオーブンを多用している。簡単な仕組みなのに微妙な温度調節に長けている。パスタ料理でアルデンテなどという茹で加減を崇めるイタリア人の感性が発揮されている。ディロンギ社の製品は私の要求に誠実に答えてくれる。今年のワイン会のメニューはすべて2台のディロンギのオーブンがフル回転して私を助けてくれた。高価でたくさんの使いもしない機能満載のオーブンレンジは「チン」するレンジとして数回使っただけである。

  今年はディロンギのオーブン以上に妻の援助が大きかった。2回のワイン会で見事にホスト役を完璧に務めてくれた。駐車場への案内、玄関までのお出迎え、会場での接待、トイレへの案内、お皿グラスの交換、料理を運び空いた皿の片づけに洗物。今までのワイン会ではお客様より先にワインで酔い、しまいには出来上がって寝てしまった。ところが今年はまったくワインを口にせずシラフで通した。ディロンギと妻の助けのおかげで今年もワイン会を乗り切った。

  「今年が最後になる」 今まで8回毎年そう思っていたが、今年は体調を崩していた。「最後」という気持ちは、強かった。妻にも私の気持ちが通じたのかもしれない。妻は「私が何を言ってもあなたは自分がやると決めたらやる人。そうさせてあげられることは、自分のできる範囲で協力することにしたの」 

 バカは死ななきゃ直らないらしい。


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