団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

XYZ

2009年02月09日 | Weblog
 『朝、チャックを開けたまま、出勤したことのあるビジネスマン37.2%  おはようございます。朝専用「ワンダーモーニングショット」』(JR東日本の車中のポスター)

 電車の中のこのポスターを見て、思い当たる男性は多いことだろう。私自身も『社会の窓』への注意力が欠如していて、ずいぶんな時間と距離をそれと知らずに歩き回り赤面することがある。最近、女性でもジッパーのついたパンツやスラックスを身につけている。女性のジッパーが開いてるのを見たこともあるので、男性だけの問題ではなくなっている。

 アメリカでは人前で社会の窓が開いている人に小声で「XYZ」と教える、(X=examine 調べろ! Y=your お前の Z=zipper ジッパー)と国際基督教大学の安積仰也元教授から聞いた。安積さんは、長くアメリカで社会学の教授としてウイスコンシン大学やコロンビア大学で教えていた。若くして渡米し、英語の世界で研究に没頭していた。日本に帰国し、日本の大学でも教え、退職した。日本語を書く能力を取り戻すためと、このような凄い履歴の持ち主が、ひとりの生徒として、私がサハリンから日本に帰国して、学んだカルチャースクールのクラスにいた。素晴らしい人との出会いは、人生の奇跡であり、喜びの源泉となる。以後ことあるごとに、多くのことを教えてもらい勉強になり、感謝している。

「XYZ」これは何と素晴らしい方法だろう。是非日本でも密かに拡がってほしい。「ほら、前」とか「チャック」とか「開いてるよ、社会の窓」では、言うほうも言われるほうも恥ずかしい。小さな声で「x ・y・z」でささやき教えてあげる。さっとメモに書いて相手に素早く教えてあげるのも良い。日本人の多くの女性は、奥ゆかしいので見ても教えてくれる人はまずいない。だからこそこのxyzの状況は、一刻も早く当事者に着実に伝えなければならない。多くの人々が過去にどうすればいいのか途方にくれたことがあると思う。

 私も若い頃、XYZ状況は、何年に一回あるかないかないかぐらいであったが、歳を取るにつれて頻度が増えてきた。カナダではxyzの経験はなく、xyzを学ぶ機会がなかった。あの頃は、そういう事態になっても、xyzの状況に“スウスウ”したり、何かあそこ近辺が敏感に反応したが、今では何も感じることはない。部屋を移動しただけで、何をするためにここへ来たのか、判らなくなるほどだから、xyz状況など朝飯前のことである。バスの運転手が「左よし、右よし、前よし」と点呼するように、私も家を出発する前に、「火の元よし、スイッチよし、鍵よし、xyzよし!」と点呼して家を出るようにしている。がっかりすることはない。一回でダメなら二回、二回でダメなら三回点呼すればいい。XYZで恥ずかしい思いをするより、ずっと良い。そのうちに、きっと日本中にxyzが密かに拡がるに違いない。あなたも今すぐ「xyz」の点呼を。・・・「大丈夫?」「良かった」 では「いってらっしゃい、御機嫌よう(Have a good day!)」

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする