備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

この前の……

2008-11-14 10:20:40 | 陶芸
この前の……。ボチボチ紹介。

片身代わりの『肩衝徳利(かたつきとっくり)』


いわゆる備前焼の伝統的な形のひとつ。
芋徳利と違うのは、肩部分に段が付いているという事。芋徳利は、なで肩。

備前焼の徳利の形には、野菜の名前がつくことが多い。
芋、蕪、辣韮(らっきょ)。これが大きいサイズになると、そのまま大芋、大蕪となる。
あと変わったところでは鳩、鴨などもある。鶴首、雀口と特徴的な部分を指して言う場合もある。


今や絶滅危惧アイテムになっているけれど、『貧乏徳利』のネーミングは、ちょっといただけない。『お通い徳利』とも言うけれど。
でも貧乏徳利って今の生活で使うとすれば、ちょっとオシャレな使い様になると思う。
酒屋へ持って行って、酒を詰めてもらってリユースする。インテリア性があれば、酒入りでプレゼントにしてもいいかもね。


拙宅の近所の造り酒屋さんで、2升半入る特大瓶(1升瓶の形をそのまま大きくした感じのガラス瓶)に詰めて販売してくれる所がある。
これを初窯御祝や開業祝いでもって行く。黙ってニヤッとしてくれるとメッチャ嬉しい。
清酒2本が通り相場の所へ、これを1本だけ持って行って、「1本?」と怪訝な顔をされると、チョット悲しい。なので相手によりけり。


喜ばれる理由は、これが洒落(ちょいベタ)になっているから。

『2升半』で、読み方は『益々繁盛』。
その意味は、1升が2つで、升升(ますます)と、加えて半升(はんじょう)。
合わせて2升半(ます・ます・はんじょう)となる。


ヤキモノ屋的商品開発として、2升半サイズの『大・貧乏徳利』を作って、『益々繁盛徳利』と銘打って売り出そうかしら。
同じものでも『大貧乏』と『益々繁盛』では、かなり違ってくる筈。

でも、かなり重くなって……、注げん……。


とりあえず、拙宅の大蕪徳利の容量を計って2升半入ったら、「益々繁盛ですよ」って言う事にしよう。 (^。^ゞ