備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

仕上げ作業中

2008-10-17 10:09:34 | 陶芸
窯から出たばかりのモノは、表面に灰が掛かっていたり、砂や石が噴き出したりしていてザラザラしています。そのままでは、怪我をしたり、テーブルを傷つける事になるので、仕上げに『磨き』の作業が必要です。

砥石で磨いて、サンドペーパー(60~80番)で更に磨く。時々、素手で仕上がり具合を確認しながら。最後に『水洗い』をして終了。

一点一点やっていくので、そのうちに指紋が消える。そして、ついには血がにじみ……。冗談ではなく、本当に熱い湯呑みが持てなくなる。
この艱難辛苦(という程ではないか…)を乗り越え、水漏れ検査を経て、やっと出来上がり。

窯出し後に、ヤキモノが一番キレイに見えるのは、洗い作業中。埃まみれのモノを洗い桶に入れると一瞬にして輝きだす。水の中で自然釉の貫入、窯垂れの結晶、ヒダスキなどがキラキラと光る様子には、つい手が止まって……見入ってしまう。この瞬間が好き。
そうは言っても、一つづつ洗いながら今回の良かった点、改善点を冷静に確認する作業でもあるのが事実。


日中はポカポカとした陽射しと程よい水温で心地よい。
日没後は、桶の水が急に冷たくなり、足元も冷えてくる。

ぼちぼち、ビールの個人的消費量が落ちてくる季節だ。