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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

ミミイカのリゾット

2016-11-13 21:19:02 | 料理・食材


所用で出向いた先で寄り道。小生の寄り道とは、まぁ、いつも通り魚屋さん……。『酒器の勉強』の為致し方ない。あぁ。ツライ。
店頭でザル一杯のミミイカ達がお出迎えしてくれました。他にも、尾頭付きサワラ、エビ各種などが良い感じ。珍しくカメノテもいらっしゃって、ひとつづつ挨拶するように見て回る。
この時間が楽しい。いや、勉強の為、あぁツライ。

「さて、どうしようか?」
白子チームもいるが、今日はそういう気分じゃない。
最終的にはオウゾエビとミミイカに興味を惹かれたが、ここは最初にお出迎え頂いたミミイカに決定する。

と言うのは先日、牛窓で頂いたリゾットが印象に残っていたから。

到底再現は不可能だけれど、あくまでも淡く、香り高く、華やかな余韻を目指したいなぁ。


まずは、ミミイカを洗う。

美しい仕上がりを考えると、しっかり墨を吐かせたい。

ちなみにミミイカとは……こんな感じ。

某ネズミの国のキャラクターみたい。お店での源氏名は『チゴイカ』。ん~~、単なる方言か?


さて、料理開始。例によって参考レシピは一切なし。イメージの追求のみである。

まずは、ミミイカを軽く茹でて、その茹で汁を出汁にしようか。
お湯にミミイカを入れる……とっ! 途端に茹で汁が真っ黒になる。ありゃぁ、出汁は良いかも知れないけれど、色がダメだな。(今日はイカ墨気分じゃない)
堅くならないうちに引き上げて、食感の悪い目玉を処理する。爪先で外せるので簡単。ついでにもう一度、吐き切っていない墨も洗い出す。

仕切り直そう。

鍋にオリーブオイルを入れて、香りが出過ぎないように極少量のニンニクを炒める。出汁と香りを期待してミミイカ全数の4分の1も合わせて炒める。
生米を投入。透き通ったら料理用の白ワインと水を入れて煮る。本来ならここで茹で汁を使いたかった……。コンソメキューブで味のドーピングしようかと思ったが止めた。(今日はそういう気分じゃない)
水を足しながら米の芯の残り具合をチェックしつつひたすら煮る。更に、ミミイカの4分の1を投入。小分けにイカを入れるのは、温度差での出汁の出方の違いで、より厚みのある味を引き出す為である。(但し、根拠の無い勝手なイメージだけど)
時間が経つにつれて風味も出てくる。しかし、ミミイカがますます小さくなっていくなぁ。「よく頑張ったねぇ」とねぎらいの声を掛ける。
少量の牛乳を追加してから、また水分を飛ばす。塩胡椒の具合を確認して火を止める。
刻んだ大根の葉は余熱で火が通るので、軽く混ぜ入れてオシマイ。

残っているイカの半数を別鍋でサラッっと炒めてトッピング用にする。

器へ。う~~ん、いい感じ。ミモレットはご不在なので、粉チーズを。

口に入れると、チーズとイカの旨味が合わさっていく。大根の葉に閉じ込められた甘い水分が、オリーブオイルとエマルジョンされてジンワリと美味しい。
全体にムキュムキュした食感に、時々ザクザクするアクセントが面白い。

華やかさはないけれど、淡く優しいなぁ。

子供曰く、「地味に美味しい」とか。

うん、まぁ、エエか……。


小さなイカもなかなか楽しいな。


以前にミミイカを頂いた時には『不足の美』などへ想いを馳せて(酔っ払って)いるけれど、今日はそんな気分じゃない。


『小さきもの』を愛でつつ夜は更ける。

今日はそんな気分。





































コメント
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