
朝夕の冷え込みがジワジワと実感される頃です。
一日の寒暖差が大きくなると一気に山が装いを変える。
しかしながら、ウチの周辺は里山故にクヌギやカシなどが多く錦秋とは程遠い。
その中にあって、ウルシの類は鮮烈。

見頃は陽が当たり始める朝。夜露を纏った深みのある色が美しい。
そこに柔らかな朝陽が少し当たると、葉っぱの縁が黄金色に輝き、葉の一枚一枚が微細な光に包まれる。
「こういう一瞬への想いが古来から絵の題材になってるんだろうな」と、如何せん絵心というには不調法者なのに……想う。
風もなく、穏やかな朝陽を背中に感じながら見る紅葉。
マグカップを片手に家の周辺を歩いてみる。脳内BGMは、ジョン・ケージの『4'33"』。外で飲む朝のコーヒーが旨い。
春にあれほど孤高の存在感を出していた山桜も既に冬枯れの装い。
見上げると青空にフラクタルな景色を描き出している。

手近にあった椅子に座って、遠くの近くの山を見つつ、懸案の構想を纏めるでもなく散逸させるでもなく……コーヒーの香りを楽しむボンヤリとしたひととき。
うん、この景色も悪くないな。
確実な季節の変わり目。
怒涛のスケジュールも一段落したので、気持ちを切り替えて次への仕事にかかろうか。
目線を下げて、周辺の状況から仕事の段取りを決める。現実へ。
まず割り木の整理。原土を乾かして、粘土を篩で漉してドベ鉢に。
発送案件を終わらせて、そういえば木箱がそろそろ届く頃か?……となると紙箱も仕入れなきゃな。そういえばメールのアレコレの返信も溜まっている。
割り木も頼まないとなぁ。
先程から感じるこの視線は……( ̄□ ̄;)!! あっ、福助くんの朝御飯ね。ハイハイ。
「春の為に冬を過ごす。(≒ひきこもり)」には、まだ早いようで……。
陽差しが強くなってきた。
さぁ、BGMを切り替えてスタート!